2025年03月19日、韓国の金融委員会は「不動産PF状況点検会」を実施し、韓国経済の時限爆弾といわれる不動産PF(プロジェクトファイナンス)の状況を確認しました。
↑Googleの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。
一方で、民間格付け会社『韓国信用評価』も不動産PFのエクスポージャーについてリポートを出しています。
エクスポージャーは日本語に訳しにくい言葉ですが「リスクに曝されている資産の量」ぐらいの意味です。
あるいは「特定のリスク要因に対する企業や金融機関の関与度合い」といった意味合いになります。
まだ総エクスポージャー「252.6兆ウォン」もある!
ちなみに『韓国信用評価』は1985年創業の民間企業ですが、現在は『Moody’s(ムーディーズ)』の傘下となっています。
Executive Summary
最近、建設会社の法的整理申請などの信用事件が相次いで発生している。これまでは建設会社が直接債務者ではなく、PF(プロジェクトファイナンス)エクスポージャーに与える影響に注目していたが、今後は建設会社に対する貸出債権や有価証券など「建設業エクスポージャー」にも関心を向けるべき時期に来ている。
建設業エクスポージャーは、特定の会社が信用事件を起こした場合、PFエクスポージャーよりも直接的な影響を受ける。
本レポートでは、建設会社の信用事件発生による影響を点検し、「建設業エクスポージャー」と「PFエクスポージャー」を分類して現状を整理し、それによる業界全体の負担を分析する。
(後略)
エクゼクティブサマリーだけ和訳すると上掲のようになります。Money1でもご紹介してきたとおり、韓国の建設会社が「事実上の倒産」相次ぐという事態になっております。
『韓国信用評価』のいう「これまで不動産PFのエクスポージャーといってきたが、建設業エクスポージャーは別に考えるべきなのではないか」という指摘は当を得たものと言えるでしょう。
では、建設業エクスポージャー、PFエクスポージャーをどのように分析しているかというと、以下のようにまとめられています。
建設業エクスポージャー:42.2兆ウォン
PFエクスポージャー:210.4兆ウォン
総エクスポージャー:252.6兆ウォン
まだ252.6兆ウォンもあるのか!――なのです。
金融的に見ると、証券・キャピタル会社は大手建設会社中心のPF資産を扱っている。こちらは衝撃の吸収力は大きいので、金融委員会のいうとおり、そこまで危険ではないかもしれません。
※ただし業界第16位の施行能力を有するとされた『泰栄建設』が事実上の破綻でワークアウトに入ったことなどに注目しなければなりません。2025年01月には慶尚南道第2位の建設会社『テジョ建設』が飛んでいます。

しかし、問題は第2金融圏に属する貯蓄銀行です。小規模建設会社が関与するプロジェクトの比率が64.7%と、他の業界よりも圧倒的に高く、こちらは危険だと見なければなりません。
時間爆弾といわれている。
(吉田ハンチング@dcp)