2023年12月28日、『韓国銀行』が「金融安定報告書」を出しました。
毎度おなじみですが、この中に「FSI」※1と「FVI」※2があります。FSIは2023年11月、FVIは2023年第3四半期時点の数字です。
※1FSIは「Financial Stress Index」の略。これまでは「金融安定指数」だったのですが「金融不安指数」と訳されています。
※2FVIは「Financial Vulnerability Index」の略。「金融脆弱性指数」。
『韓国銀行』は――金融不安指数(FSI)は、短期的な金融不安レベルを評価し、金融脆弱性指数(FVI)は中長期的な金融不均衡の程度を示すもの――と説明しています。
まず「FSI」です。
FSIは「19.3」です。先にご紹介したとおり、「8」から「警戒域(Warning Satge)」に入り、「22」を超えると「危険域(Crisis Stage)」です。
2023年10月が「18.4」で、11月「19.3」ですので、不安指数は上昇しました。まだ警戒域から抜けてはおらず、危険域に向かっています。
次に「FVI」です。以下をご覧ください。
2023年第4四半期時点で「41.5」。
FVIは、アジア通貨危機時、韓国が事実上破綻した1997年11月を100としています。長期平均(2007年第1四半期~2023年第3四半期)は「38.1」ですので、徐々に低下しています。
つまり、FSI・FVIを見る限り、韓国は、
・短期的な金融不安レベルは高まっている
・中長期的な金融不均衡は収まりつつある
となります。
2024年が始まりましたが、この後どう動くのかに要注目です。
(吉田ハンチング@dcp)