そのうち到達するだろうと予測されていたので、別に驚きでもなんでもありませんが、なぜか韓国メディアでは今になって慌てふためくような記事を出しています。
例えば『毎日経済』は「『このままだと本当に韓国が滅びる』…1,200兆ウォンの国の借金、”カウントダウン”、国内外の金融機関が相次いで警告」というタイトルの記事を出しています。
別に滅びてくれても全然困りませんけれども、何の話かというと、Money1でもしつこくご紹介してきた政府負債の話です。
『BIS』(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)のデータでも、2024年03月時点での政府負債(返済しなければならないので債務)の対GDP比率※が45.4%に達したのです。
※ただし、この場合はいわゆる「マクロレバレッジ」のことで、非営利公共機関と非金融公営企業の分を除いた狭義の国家債務の対GDP比を示します。
韓国の政府部門マクロレバレッジ比率は、2020年第1四半期に40.3%で初めて40%超えとなりました。
文在寅前大統領が「政府負債の対GDP比率を誰が40%以下と決めたんだ!」と閣僚を叱責し、これまで韓国政府が守ってきた暗黙の財政準則を破壊したたときです。
で、とうとう2024年第1四半期(03月)で「45.4%」となりました。
この45%超えは、『BIS』の統計によれば1990年第4四半期末以来の最高値です。
『BIS』によると、2024年第1四半期末の政府負債の具体的な総額は「1,119兆2,597億ウォン(8,234億300万ドル)です。ウォンで計算しても、ドル建てにしても過去最高額です。
経済のことなど何も分からないアンポンタンをTopに据えるとこういうことになるのです。
「何が困るの?」と思われるかもしれません。
別に国内に対する債務なら、ウォンを刷ればいいじゃん――なのですが(紙幣を刷るのは『韓国銀行』ですけれども)、「外国からの信用を喪失する」のが困るのです。
これがハードカレンシーを持つ日本と根本的に違うところです。
はっきりいえば、別に政府負債の対GDP比率が40%だろうが、100%になろうが別に構いません。その意味では、アンポンタンの文在寅前大統領は正しいです(ばかだから言えたことですが)。
数字に意味はないのです。
問題は、「どこまでいくとその国が信用できなくなるか?」です。
そして、この閾値については「市場が決める」のです。
文在寅が「ばかだなー」というのはこれを理解していなかったことです。
日本の場合は、政府負債が対GDP比で200%を超えていますけれども、別に国際的な信用がなくなりはしません。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も韓国よりも良好です。
つまり、誰も(市場は)日本がデフォルトするなんて思っていないのです。CDSを見ればわかるとおり、日本と韓国を比較すれば、市場は「韓国の方が危ない」と見ているのです。資本主義経済では、「市場はいつも正しい」のですから。
ばかな文在寅は、日本に勝ったと言い、二度と日本に負けないと言い、じゃぶじゃぶ負債を増やしました。日本が200%なら、韓国もいけると妄想を抱いたのかもしれません。
それが運の尽きです。
経済規模からいって、ローカルカレンシーしか持たない韓国の信用など薄っぺらなものです。
「あ、韓国ってもしかして政府負債が多すぎじゃね?」と思われ、「デフォルトすんじゃね?」というふうに市場が判断したら、それでおしまいです。
※ただし「市場のモメンタムはいつも重く、しかし動くときは一瞬だ」を肝に命じておくべきです。株式・FXの取引を行う方は熟知していることですが。
毎度おなじみの「信用格付けが低下 ⇒ 資金流出 ⇒ 通貨安」が進行して、ギブアップになるのです。Money1でもご紹介してきたとおり、韓国がいざというときに使える外貨準備は恐らく100億ドル内外しかありません(これは推測です)。
韓国は先進国でもないし、強国でもありません。政府負債をどこまで積めるか挑戦してみるといいのではないでしょうか。
「日本がそんなに大きなわけはない。俺の方がもっと大きいだろう」といって空気を吸い込んで大きく見せ、破裂する『イソップ童話』のカエルみたいなことになるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)