2024年11月29日、韓国の統計庁が「2024年10月の産業活動動向」を公表しました。
韓国は景気がどん底といってよく、回復の兆しが見えないところに問題があります。それは今回のデータでも窺えます。
以下をご覧ください。
生産(全産業): 0.3%減少鉱工業: 横ばい
半導体: 8.4%増加
自動車: 6.3%減少
金融・保険: 3.1%増加
サービス業: 0.3%増加消費(小売販売): 0.4%減少
非耐久財(食品・飲料など): 0.6%増加
耐久財(家電製品など): 5.8%減少
準耐久財(衣類など): 4.1%減少投資
設備投資: 5.8%減少
建設投資: 4.0%減少景気
同行循環変動指数: 横ばい
先行循環変動指数: 0.1ポイント減少※対月比の増減
⇒参照・引用元:『韓国 統計庁』公式サイト「2024年10月の産業活動動向」
毎度おなじみですが「半導体は回復している」という点を前面に出していますが、自動車は減少しています。以前にもご紹介したことがありますが、産業の裾野を考えた場合、韓国にとっては自動車の方が重要です。
半導体産業は利益率も高く、韓国にとっては最も重要な輸出産業ではありますが、韓国にはその川上部分は特に日本に依存しています。基礎技術を積み上げてこなかったため、素材・部品・装備についてはいまだに企業の広がりがありません。
韓国では「生態系」という言い方がよくされますが、生態系は「自動車」の方が大きいのです。韓国政府が公表する輸出入の資料にも、15大輸出といった場合に「自動車部品」が入っているのはそのためです。
※ただしコロナ禍によって自動車部品に関連する企業も破綻が多くなりました。
対して、「半導体装備」といったくくりは決してされません。
自動車産業が衰退することはより多くの人の「暮らし」に影響します。
景気が悪いことは、何より「消費(小売販売)」が-0.4%減少であることが如実に示しています。
また「投資」も、「設備投資: -5.8%」、「建設投資: -4.0%」とマイナスで奮いません。
「生産」「消費」「投資」が全部対前月比でマイナス。トリプルダウンです。
トリプルダウンは2024年05月以来のことで、5カ月ぶり。景気は緩やかに回復している――という政府の大本営発表に疑問符がつく結果なのです。
(吉田ハンチング@dcp)