米国「2026年版 国家防衛戦略」⇒ 米国は韓国を見捨てつつある。

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2026年01月23日(金)、アメリカ合衆国の国防総省が「National Defense Strategy 2026」(2026年版 国家防衛戦略)を公表しました。

合衆国のトランプ大統領が国防総省を「戦争省」に改称する大統領令を出しました(Executive Order 14347/2025年09月05)。しかし政府機関の正式名称は連邦法(合衆国法典)によって定められます。大統領令だけでは、省庁の法的正式名称を変更できません。戦争省への改称はいまだ法的に承認されていませんので正式名称はいまだに国防総省のママです(2026年02月05日現在)。

⇒参照・引用元:『アメリカ合衆国 国防総省』「2026 NDS」

「2026 NDS」ですが、韓国はもはや合衆国から見捨てられているのではないのか――と疑念を抱かせるような内容です。

注目すべき言葉があります。FIC(First Island Chainの略:第一列島線)です。

FICは、日本列島~南西諸島~台湾~フィリピン諸島(北部)をつなぐラインです。

まず以下です。

「対立ではなく力を通じて、インド太平洋において中国を抑止する」

トランプ大統領は、中国との間において、安定した平和、公正な貿易、そして相互に敬意ある関係を追求しており、その目標を達成するために、習近平国家主席と直接関与する意思を示してきた。

しかし同時に、トランプ大統領は、力のある立場から交渉することがいかに重要であるかを示してきており、そのため国防省(DoW)に相応の任務を課している。

大統領のこのアプローチに即して、DoWは、北京との戦略的安定を支えること、ならびにより広い意味での衝突回避および緊張緩和に重点を置きつつ、中国人民解放軍(PLA)との間で、軍同士の意思疎通の枠組みをより幅広く模索し、開いていく。

しかし同時に、われわれは、中国が進めてきた歴史的な軍備増強の速度、規模、質について、冷静かつ現実的な認識を持ち続ける。

これを行うわれわれの目的は、中国を支配することでも、締め上げることでも、屈辱を与えることでもない。そうではなく、われわれの目的は単純である。

すなわち、中国を含むいかなる国であっても、われわれやわれわれの同盟国を支配できないようにすることである。

換言すれば、インド太平洋において、すべての国が十分に受け入れ可能な平和を享受できるようにするため、国家安全保障戦略(NSS)が掲げる勢力均衡という目標を達成するために必要な軍事的条件を整えることである。

そのため、NSSの指示に従い、われわれは第一列島線(FIC)に沿って、強固な拒否防衛を構築する。

また、地域における主要な同盟国およびパートナーに対し、われわれの集団防衛のために、より多くの役割を果たすよう促し、かつそれを可能にする。

こうした取り組みを通じて、われわれは拒否による抑止を強化し、すべての国が、自らの利益は平和と自制を通じてこそ最もよく守られるのだと認識するようにする。

これこそが、トランプ大統領が国家にとって有利な条件を交渉することのできる軍事的強さの立場を確立する方法である。

われわれは強固であるが、不要に対立的ではない。このようにして、われわれは、極めて重要なインド太平洋地域において、力による平和というトランプ大統領の構想を現実のものへと転換していく。

もう一箇所。

努力目標2:対立ではなく力を通じて、インド太平洋において中国を抑止する

戦争省(DoW)は、より幅広い形式を通じて、中国人民解放軍(PLA)の対応当局と関与するにあたり、トランプ大統領の方針に従う。

そうした関与を行うに当たって、われわれの焦点は、北京との戦略的安定を支えること、ならびに、より広い意味での衝突回避および緊張緩和に置かれる。

同時に、トランプ大統領は、インド太平洋における十分に受け入れ可能な平和への強い意欲を明確にしている。

そこでは、貿易が開かれ公正に行われ、われわれすべてが繁栄でき、そして我々の利益が尊重される。DoWは、これらの関与を通じて、その構想と意図を中国当局に伝えることを助けると同時に、われわれ自身の行動を通じて、そのような平和で繁栄した将来を達成し、維持したいという真摯な意思を示す。

しかしながら、われわれは、トランプ大統領が国防当局に与えた最も重要な指示――力による平和――を見失うことはない。

これを踏まえ、インド太平洋における平和を維持するため、トランプ大統領が常に力のある立場から交渉できるようにすることは、DoWにおけるわれわれの本質的な責務である。

そのために、国家安全保障戦略(NSS)の指示に従い、われわれは第一列島線(FIC)に沿って、強固な拒否防衛を構築し、配備し、維持する。

また、地域における同盟国およびパートナーと緊密に連携し、特に効果的な拒否防衛に資する形で、われわれの集団防衛のために、彼らがより多くの役割を果たすよう促し、かつそれを可能にする。

これらの取り組みを通じて、われわれは、合衆国の利益に対するいかなる侵略の試みも失敗に終わり、したがって最初から試みる価値がないことを明確にする。

これこそが、拒否による抑止の本質である。

このようにして、DoWは、トランプ大統領の先見的かつ現実的な外交を支える軍事的強さを提供し、その結果として、インド太平洋において、合衆国、中国、そして地域の他の国々を含むわれわれすべてが、十分に受け入れ可能な平和を享受できる勢力均衡を可能にする条件を整える。

同時に、第一列島線に沿って強固な拒否防衛を構築する過程において、DoWは、統合軍が、合衆国本土から直接行う場合を含め、世界のいかなる場所にある目標に対しても、破壊的な打撃および作戦を実施できる能力を常に保持することを確保し、それによって、大統領に比類なき作戦上の柔軟性と機動性を提供する。

合衆国の国防総省は「第一列島線(FIC)に沿って、強固な拒否防衛を構築する」としました。

誰がこの文書の草案を作ったのか分かる表現です。恐らく「拒否戦略」を提唱したElbridge A. Colby(エルブリッジ・A・コルビー)国防総省政策担当国防次官(Under Secretary of Defense for Policy)でしょう。

「日本の役割は極めて重要である」米国コルビー国防次官『拒否の戦略』
Elbridge A. Colby(エルブリッジ・A・コルビー)さんは、アメリカ合衆国・トランプ第2期政権下で国防総省政策担当国防次官(Under Secretary of Defense for Policy)に任命されました。コルビーさ...

第2のアチソンラインといっていないのは、「この線の外は守りません」としたら、朝鮮戦争(1950年06月25日に北朝鮮軍が38度戦を越えて奇襲をしかけた)みたいに、戦争を誘発することになるかもしれない――ためでしょう。

この「2026 NDS」の内容は、先にご紹介した在韓米軍の逆さ地図とも符合します。

一応朝鮮半島に在韓米軍を置いていますが、インド太平洋地域の重点防衛線FICの外にあります。

合衆国は韓国を防衛する気はあるのか?――なのですが、この文書には朝鮮半島について以下のように書いています。

朝鮮半島
高い国防支出、強固な防衛産業、そして徴兵制によって支えられた強力な軍事力を有する韓国は、合衆国による不可欠ではあるものの、より限定的な支援の下で、北朝鮮を抑止するための主要な責任を担う能力を備えている。

韓国はまた、北朝鮮からの直接的かつ明白な脅威に直面していることから、その責任を果たす意思も有している。

この責任分担のバランスの変化は、朝鮮半島における米軍の兵力態勢を更新するという、合衆国の利益とも整合的である。

このようにして、われわれは、トランプ大統領の強力な指導力が、中東を含む世界を、より平和で繁栄した場所へと作り変えていることを確かなものにすることができる。

そして、合衆国の防衛上の優先事項によりよく合致した、より相互に利益のある同盟関係を構築することで、永続的な平和のための条件を整えることができる。

一読して分かるのは、「朝鮮半島の(北朝鮮からの)韓国防衛は、韓国が自分でできるだろ」という姿勢です。

もちろん「合衆国からの支援は不可欠だろうが」とはなっていますが、北朝鮮を抑止するための主要な責任を担う能力を備えている――と結論づけています。

要するに「自分でやれよ」というわけです。

合衆国は(北朝鮮の軍事力からの)韓国防衛について、より責任を縮小したいのです。FICを防衛するために在韓米軍の基地は維持したいのでしょうが、ポイントはもはやそこだけです。

韓国の皆さんは「合衆国とは血盟だったのに……」「合衆国に後頭部を殴られた」などと言い出すかもしれませんが、とんだお門違いです。

朝鮮戦争のときは、共産主義勢力から自由主義陣営国(極東ではとりわけ日本)を防衛するために、ボンクラの李承晩(イ・スンマン)が首班だろうが、何だろうが朝鮮半島の南半分を確保する必要があったのです。

しかし今や合衆国にとっての主敵は中国です。しかも韓国の大統領になりおおせたのは「中国にも謝謝、台湾にも謝謝と言っときゃいいんだ」という李在明(イ・ジェミョン)さんです。

合衆国にとって防衛する価値はほとんどないといってもいい状況です。

要するに、韓国は合衆国との同盟を維持するための努力を怠りました。同盟というのは、お互いにとっての価値を高めることでしか維持されません。

韓国のいう同盟というのは「オレにとって得になるもの」であって、国際的に理解される「同盟」の基準に達していないのです。

「同盟」とは? 自業自得「韓国」の駄目な点3つ
2019年11月23日午前0時に失効する予定のGSOMIA(General Security of Military Information Agreementの略:軍事情報に関する包括的保全協定)でしたが、直前の11月22日17時に韓国か...

普通の国家は国際的な熾烈な競争環境にさらされたとき、自らの不明を悟り、世界的な荒波を乗り越えていく術を身につけていくものです。

ところがこの韓国という国は、オンボロな李氏朝鮮から日本に併合され、列強となっていった日本の保護の下に過ごし、日本の敗戦以降は棚ぼたで独立したため、合衆国の保護下で過ごしてきました。

朝鮮戦争で亡国の危機に瀕しましたが、これまた合衆国によって救われました。

要するに、自ら「同盟」国を勝ち取ったことなどないのです。だから、基本的に同盟がどのようなものなのかも、いまだに理解していません。

「同盟国だったのに……」「合衆国に後頭部を殴られた」などと、恐らく本当に言い出すでしょうが、まったく合衆国に非はありません。自業自得です。

――というわけで、合衆国は韓国を見捨てようとしているのです。

(吉田ハンチング@dcp)

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