韓国の株式市場では、株価を維持するために年金基金からお金が投じられている。それが過ぎたため、韓国の年金基金のお金はもうほとんど残っていない、「溶けてしまった」――といった話を聞くことがあります。しかし、これは本当のことでしょうか?
年金基金がお金を溶かしていたことが事実だとしても、当局が公表するわけがないので残念ながら裏が取れません。韓国の年金について、例えばジャーナリストの篠原常一郎先生はラジオ番組『おはよう寺ちゃん活動中』の中で、以下のように述べていらっしゃいます。
<<引用ここから>>
(前略)それからね。もう一つ、これね、僕ね、元ね、あの韓国政府の官僚の人にね、教えてもらって、僕びっくりしたんですけどね、株価も暴落してましてね、何がね問題かっていったらね、株価の暴落でね、韓国の年金基金が事実上消滅しちゃったんですよ。
韓国の年金制度ってもともと不十分で、今、あの、普通もらう人がね、もらう月額って、まあ4万ウォンなんですよ。4万ウォンって4,000円ですよ、月。4,000円しかもらえない。しかも半分しかカバーしていないそうなんですよね。あの、お年寄りのね。
それで不満もあんのに、年金基金がなくなったって、まだね、十分気が付いてないんですよ、韓国の国民は。これが気が付かれたらもう大きなね、暴動も起きかねないって話になっていて。
それを糊塗するためにね、もう先ほどのニュースにもあったようにね、日本、日本が悪いんだっていう話に全部もっていく。(後略)
⇒引用:音声の書き起こし元:『YouTube』「篠原常一郎、あの人!!のせいで!!K国が!!ボロボロ!!を解説!!」
https://www.youtube.com/watch?v=vneXEeZbGCs
強調文字は筆者による
<<引用ここまで>>
篠原先生が元韓国政府の官僚の人に聞いたとして「年金基金が事実上消滅しちゃった」と語っていらっしゃるのは、発言の時期からすると上掲のKOSPIがへこんでいる時のことを指していると推測できます。
しかし、KOSPIはその後09月に入ってから急上昇し、2019年末におよそ「2,208」のレジスタスラインに頭を抑えられるまでは右肩上がりでした。
もし年金基金が08月までに株式にお金を突っ込んでマイナスを喰らった(含み損を抱えた)としても、(持ち続けていれば)その後の上昇で取り戻しているはずです。もちろん(よせばいいのに)底で「損切り」をしていれば別ですが。
ですから「2019年に韓国の年金基金が株式投資で溶けてしまった」というのは、「その時点では溶かしたように見えたが、その後の上昇である程度は取り戻した」といったところではないでしょうか? 株式というのは「時価」評価ですので、禍福は糾(あざな)える縄の如しを地でいくのです。
ただし、先にMoney1でご紹介したように「年金基金が吹き飛ぶ可能性」はあります。
(柏ケミカル@dcp)