韓国が借金を雪だるま式に増やしていることはご紹介してきたとおりです。これは、政府・企業・家計ともにそうで、負債の金額をまとめると以下のようになります。
政府:849兆ウォン(77兆2,590億円)※1
企業:929兆2,000億ウォン(84兆5,572億円)
家計:915兆7,000億ウォン(83兆3,287億円)
小計:2,693兆3,900億ウォン(245兆1,449億円)
上記の政府の負債額「約849兆ウォン」には第三次補正予算の分も入っていますが、この補正予算の財源は借金です。
あまりに政府の負債が急激に増加しているため、韓国メディアでは「国家の信用格付けが下がるのではないか」という懸念の報道が出ています。
韓国のメディアには「信用格付け」の話が多く登場します。国債・社債・CPなど借金をするときに影響があるからです。
今回は、例えば『朝鮮日報』の2020年06月09日付けの記事などはその代表格です。
一部を引用します。
世界3大格付け会社の一つであるフィッチ(Fitch Ratings Limited)が「韓国の国家債務の増加率を注視している」とし「韓国政府が財政健全性を守るという約束ができないのであれば格下げリスクとして作用するだろう」と警告した。
フィッチは2月報告書で、「韓国の国家債務比率が来る2023年46%まで高まる場合、国家の信用格付けに下方圧力として作用することがある」と警告している。
(後略)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
信用格付け会社のフィッチはすでに02月の報告書で韓国政府の負債比率について警告を出していたわけです。ちなみに「46%」ですが、第三次補正予算の段階で一応「43.5%」と計算されていますが、2023年までに超える可能性大です。
で、韓国の格付けが下がって心配しているのは「国債が発行できなくなるかも……」ということなのです。
結局「次の借金の心配」です。朝鮮日報の別の記事から一部を引用します。
国家信用格付けが低下し始めた場合、政府が発行した国債金利が上がって利子負担が大きくなり、海外からの資金調達が難しくなる。
既に国家債務比率が高い状況で信用格付けが低下し始めた場合、借金から抜け出すのがより困難な状況になるだろう。
⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「格下げ時には国債利子急増…海外資金調達も支障」
信用格付けの低下は経済が困難になってから行われる。すでに「国家債務比率が高い状態」になっているだろう。そこで信用格付けが引き下げられると、借金を借り換えるための資金を調達することさえ難しくなり、ドボンになる可能性が高まる――というわけです。
「貧すれば鈍す」なんていいますが、まあ格付け会社の動向は仕方ないものとして地道に頑張るしかないのではないでしょうか。
※1円への換算は2020年06月09日の「1ウォン=0.091円」を用いました。
(柏ケミカル@dcp)