韓国では「時間との戦い」が始まっています。
尹錫悦（ユン・ソギョル）大統領に対する弾劾訴追案が2024年12月14日(土)に可決しましたので、この訴追が合憲かどうか、憲法裁判所で審理されることになり、手続きがすでに始まりました。審理自体は2024年12月27日に開始される――予定です。
盧武鉉（ノ・ムヒョン）さん、朴槿恵（パク・クネ）さんの先例を見ると、憲法裁判所での審理は「最長180日」と決まっていますが、2～3カ月で結審するものと見られています。
憲法裁判所で「合憲」と判断されれば、尹錫悦（ユン・ソギョル）さんは直ちに罷免され失職。そこから2カ月以内に次期大統領選挙が実施されます。
つまり、残すところ4～5カ月でです。
韓国の保守寄り勢力が大統領選挙で勝つために一番簡単なのは、次期大統領最有力と目されている（そして自身もそれを自認して憚らない）李在明（イ・ジェミョン）さんを出馬できなくすることです。
そのためには被選挙権を剥奪すればいいので、すでに一審判決で「懲役1年、執行猶予2年」で有罪判決が出ている、「公職選挙法違反」について、大法院（最高裁判所に相当）で同様の判決を確定すればいいのです。
↑2024年12月15日に有罪判決が出た際の李在明（イ・ジェミョン）さん。
Money1でもご紹介したとおり、有罪判決が出たのが2024年11月15日です。
韓国の公職選挙法によれば、
選挙犯罪の裁判は、1審は6カ月以内、2審および3審は前審判決後、それぞれ3カ月以内に終えなければならない
――と定められています。
つまり、第一審判決が出てから6カ月以内に大法院による判決が出なければならないのです。
――とうことは、李在明（イ・ジェミョン）さんの公職選挙法違反の判決は05月15日には出なければなりません。
前記のとおり、憲法裁判所による審理 ⇒ 大統領選挙も早ければ04～05月――と予想されますので、まさに時間との戦いなのです。
尹錫悦（ユン・ソギョル）大統領の罷免が速いか、李在明（イ・ジェミョン）の被選挙権剥奪が速いか――です。
裁判の引き伸ばしを図ってきた李在明（イ・ジェミョン）
ところが、この李在明（イ・ジェミョン）という人物は実に卑劣漢で、裁判の遅延を図ってここまできました。司法も権力者に阿って遅延をスルーしてきたのです。
これが韓国の「雰囲気司法」の実態です。
2024年12月16日、韓国の政府与党『国民の力』の法律顧問委員会は、プレスリリースを出し、同日14時にソウル高等裁判所に関連する嘆願書を提出すると明らかにしました。
ジュ・ジヌ委員長は、プレスリリースで――、
「被告人・李在明（イ・ジェミョン）が弁護人を選任せず、訴訟記録受領通知書を繰り返し受領しないことで、裁判手続きを故意に遅延させている」
「裁判部が公職選挙法に基づく迅速な裁判原則を遵守するため、訴訟指揮権を積極的に行使していただきたい」
「法律に基づく迅速な裁判を実現するためには、国選弁護人を選任して訴訟記録受領通知書を代わりに受領させるか、証人申請など証拠調査において不必要な証人の申請を却下するなどの訴訟指揮権の行使が必須であると考えます」
――と述べました。
また、「故意の裁判遅延を試みることには実質的なペナルティが必要であり、それにより法律の規定どおり3カ月以内に裁判の判決が下されるべきである」としています。
李在明（イ・ジェミョン）さん側の卑劣は裁判遅延が続くなら、間に合わなくなります。
もう何度だっていいますが、尹錫悦（ユン・ソギョル）さんは大統領に就任した直後から、李在明（イ・ジェミョン）さんを監獄に送るべくパリルパリルと司法を動かすべきだったのです。
行っておけば、非常戒厳を宣布する必要はなかったですし、このような土壇場になってから急ぐこともなかったのです。
（吉田ハンチング＠ｄｃｐ）
