興味深い数字が出ています。
『共に民主党』の国会企画財政委員会所属の鄭日永(チョン・イリョン)議員が『韓国銀行』から提供された資料によるとと――『韓国銀行』は2024年12月の1カ月で47兆6,000億ウォンのRP取引(Reverse Repurchase Agreement)を行った――とのこと。
RP(リバース・レポ)というのは、中央銀行や金融機関が市場の参加者(銀行や証券会社など)から資産(通常は国債などの有価証券)を買い入れる一方で、一定期間後にその資産を元の売り手に買い戻すことを約束する取引です。
短期的な資金供給を行うために行います。
2024年01~11月合計のRP取引が58兆5,000億ウォンですから、12月の「47兆6,000億ウォン」がいかに大きな数字なのかが分かります。通年計「106.1兆ウォン」のうち、約44.9%が12月の1カ月だけで発生したのです。
これは12月03日の戒厳宣布によって資金需要が増し、これに合わせて『韓国銀行』が流動性を増すためにRP取引を増加させてものと見られます。
↑2024年12月04日の企画財政部プレスリリース。無制限の流動性供給を行う旨を記載。
Money1でも先にご紹介したとおり、戒厳宣布の翌04日、韓国の企画財政部は「無制限の流動性供給を行う」旨のプレスリリースを出しましたが、この04日だけでRPによって10兆8,000億ウォンの供給を行った――とのこと。
↑崔大統領代行(左)と李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁。
戒厳宣布は世界中の人を驚かせましたが、『韓国銀行』と企画財政部は必要な「手」をすぐに打ちました。李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁と崔相穆(チェ・サンモク)副首相兼企画財政部長官(現在は大統領代行)はなかなかいいコンビです。
(吉田ハンチング@dcp)