2025年06月03日投開票の「第21代 韓国大統領選挙」が迫ってきました。
予定どおり、『共に民主党』統一候補である李在明(イ・ジェミョン)さんが圧倒的優勢で進行しており、一部の韓国メディアでは「60%」を制する勝利になる可能性も――と報じています。
保守寄り勢力の圧敗となる可能性があります。
韓国メディア『朝鮮日報』が「韓国民主主義の危機、中国の一党独裁を強化する」というタイトルの記事を出しています。
Money1でもご紹介したとおり、韓国は「自由民主主義国家」からインチキな民主主義である「民主集中制」に転落している途中で、この大統領選挙は「韓国はおしまいになりました」と確認できる機会になります。
『朝鮮日報』は保守寄りの媒体ですから、このままではいかん――という危機感があるのです。
記事から一部を以下に引きます。
8年ぶりに再び大統領が罷免され、3年ぶりに大統領選がまた実施される。
「内乱終結」「体制戦争」「世代交代」など、各党の有力候補たちが叫ぶ大仰なスローガンは陳腐で空虚だ。
5年単任制の大統領制度を持つ国で、つなぎのような拙速選挙を繰り返す国がほかにあるだろうか。
憲政の正常な軌道を逸脱する国家の脱線は、誰の責任なのか。
風車に突進するドン・キホーテのように、反国家勢力を一掃するとして荒唐無稽な戒厳令を宣言した一人の大統領の責任なのか。
数十件に及ぶ違憲的な官僚の弾劾に飽き足らず、大統領権限代行のさらに代行者まで弾劾しようと暴走した野党の責任なのか。
(中略)
毎回こうした混乱が繰り返されるのは、憲法そのものが誤っているからではなく、憲法を誤読し、悪用する政界のごろつきたちが跋扈するからである。
国家の主権者として国民が負うべき重大な義務は、貴重な参政権を慎重に行使し、そうした古びた勢力を退場させることである。
彼らの口にする自己弁護に惑わされ、彼らが撒き散らすポピュリズムに酔わされれば、国民主権を実現する選挙民主主義の大義は崩壊する。
(後略)
反政府勢力を一掃せねば……はドン・キホーテなのか?
「風車に突進するドン・キホーテのように、反国家勢力を一掃するとして荒唐無稽な戒厳令を宣言した一人の大統領」は面白い表現ですが、間違っています。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が非常戒厳を宣布したときにMoney1でも書いたとおり、「気持ちは分かるが本当にやるとは」であり、その意味ではドン・キホーテのように滑稽だったかもしれません。
しかし尹錫悦(ユン・ソギョル)さんというのは、大統領就任時に「自由」を連発したとおり、「自由民主主義に立つ韓国」を信じており、愛しており、左派・進歩系が支配を強めていく韓国を変えなかれば――と考えたのです。思い詰めたといっても良いです。
その意味で「非常戒厳宣布」は決して荒唐無稽ではありません。
尹錫悦(ユン・ソギョル)さんの中では「もう、これしかない」だったと思われます。とても哀しい話です。
また「憲法そのものが誤っているからではなく、憲法を誤読し、悪用する政界のごろつきたちが跋扈するから」というのも間違っています。
韓国で「憲政の正常な軌道を逸脱する国家の脱線」が頻発する理由は、突き詰めれば「法治国家ではないから」です。
韓国人は「法治国家ということ」を理解していません。簡単にいえば民度が低いのです。
このままでは中国共産党だ――なんだ分かってるじゃん!
この記事で特に注目したいのは以下の部分です。
(前略)
中国の官製メディアが見る韓国の政治は、無法地帯の衆愚政治と、鋭利な政治報復の連鎖にすぎない。中国の学者たちは「韓国が不器用にアメリカ式民主主義を真似た結果、危機に陥った」と説き、中国のネットユーザーたちは韓国の政治の泥仕合を見て喜び、「世界で最も危険な職業は韓国大統領」と嘲笑する。
三権分立を批判し、一党独裁を讃える中国共産党は、韓国が政治的混乱に陥ることを望んでいる。
韓国式民主主義が危機に陥れば、中国式一党独裁の理念的正当性が強化されるというのが、東アジア国際情勢の皮肉である。
まさにその点において、韓国の大統領選は内政にとどまらず、グローバルな次元でドミノ効果を引き起こす。
緊迫して再編される国際情勢の中で、今回の韓国大統領選には、全体主義勢力に立ち向かい、東アジア自由民主主義の最後の砦を守るという汎人類的意義がある。
(後略)
書き方としては、中国が韓国の政治的混乱を喜んでいるぞ――となっていますが、恐らく書き手が懸念しているのは、「三権分立を批判し、一党独裁を讃える中国共産党」ではなく「三権分立を批判し、一党独裁を讃える『共に民主党』」です。
Money1でもご紹介してきたとおり、『共に民主党』が目指しているのは中国共産党のやっていることを変わりません。
だからこそ、「明確に自由民主主義国側に立つ韓国」は「おしまい」になるのです。
この記事は「なんだ、自分で分かってるじゃん」です。
それでも韓国は「転落」と「転落確認」を止められません。
(吉田ハンチング@dcp)