韓国では「韓米ワクチンスワップ」を締結しなければならない!――と奇声気勢が上がっています。大声を出しているのは、鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官です。
そもそも「ワクチンスワップ」って何?
そもそも「韓米ワクチンスワップ」ってなんだ?と思われるでしょうが、これは、
・韓国は後で合衆国にワクチンを製造して返す
(ワクチンの製造技術は合衆国(企業)から提供される前提)
というもの(他の内容も検討されてはいます)。
後でワクチンを製造して返すから技術を教えてくれというのも相当なものですが、合衆国がびた一文得をしない(それどころか技術流出で大損)という、呆れるほど虫のいい話をしているのです。
この「韓米ワクチンスワップ」は、韓国の大好きな「通貨スワップ」にならったものでしょうが、ドル流動性スワップではドルを借りたら「利子」を付けて返さなければなりません。しかし、このような内容では利子どころか合衆国は損をするばかりです。
ワクチンの確保に失敗した韓国
背景には、韓国がコロナワクチンの確保に失敗しているという事実があります。
「K防疫」なるものを誇っていたためか、国民全員分の接種できるワクチンを確保できておりません。
これは韓国政府の失態と非難されていますので、政府与党としても失地を挽回したい思惑もあって、呆れた話で大声を張り上げているのだと思われます。
誰も指摘しないので触れておきますが、韓国政府は予算編成時にワクチン用の予算を削ったりしているので国民全員分が確保できなくても実は当然のことなのです(本当です!詳細は以下のMoney1の記事を参照してください)。案の定足りませんでした。
「たかれる友が真の友」の間違いでは?
で、チョン長官は、この「韓米ワクチンスワップ」を強力に推進するとし、2021年04月18日、アメリカ合衆国のジョン・ケリー大統領特使が訪韓した際にも「集中的に議論した」などと明らかにしています。
本当に「集中的に議論した」のか怪しいもので、合衆国は当然のごとく「合衆国にも余裕がない」とスルーしました。
傑作なのは、チョン長官が以下のようにケリー大使に話した、としていることです。
(困ったときの友人こそ真の友)
そもそも自国政府の失策であるのを省みず、他国に善意を強要するというのはいかがなものでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)