韓国の年金改革は焦眉の急です。
Money1でもご紹介してきたとおり、「低負担・低福祉」(年金加入で取られるお金は少なくて済むけど、もらえる金額も少ない)でここまで突っ走ってきたのですが、世界最低の合計特殊出生率0.72(2023年)ですので、日本よりも早く、急速に老いていきます。
どうなるかというと、老齢年金に加入する人数が急減して、お年寄りに給付する年金を支えられなくなります。
やがて年金基金に積み上がったお金も枯渇して、その後は、老齢年金給付は「取って出し」(ほとんど国家負担になる)になります。
以下が年金基金のお金がいつ枯渇するかの推計曲線です。
2018年の「第4次財政推計」によると、年金基金は2041年に最高額「1,778兆ウォン」に達し、2057年に枯渇します。
2023年の「第5次財政推計」によれば、2040年に最高額「1,755兆ウォン」に達し、2055年に枯渇します。
年金基金が枯渇する「年」が2057年から2055年に早まりました。
――これではいかんというので、珍しく与野党が妥協して年金の料率も9%から13%に上げました。しかし、そんなものでは全然足りません。『OECD』加盟国の年金料率平均は18.2%です。
公的・私的年金が全く足らない!
韓国メディア『朝鮮日報』に「老人になっても働こう」という記事が出ているのですが、同記事の中に面白い表組があるのです。
「主要国の高齢者の収入源は?」という表組なのですが、以下です。
2023年時点で韓国は、公的・私的年金は収入の「29%」にしかなりません。アメリカ合衆国、日本は「60~70%」、ドイツは「80~90%」にも達します。
また、合衆国・日本・ドイツはほとんど子供からの援助を受けていません。
非常に興味深いのは、1980年の韓国です。子供からの援助が「72%」にも達し、また逆に公的・私的年金はわずか「0.8%」です。tまり、この時代はまだ「親の老後の面倒は子供が見るのが当然」だったわけです。
低負担、低福祉でここまできたので、さあお金がなくなってきたぞ、人口も減少するぞ――でドタバタしても、特に良いソリューションがあるわけではないのです。というか手はありません。
それが(ほとんど)二世代を経て、「老後は子供には頼れない」になりました。
せいぜい高齢者になっても働く、年金支給を遅らせる――ぐらいなものです。
また、韓国は日本を剽窃してきた国ですが、日本をまねしようにも合計特殊出生率が世界最低の「0.72」になってしまい、パラメーターが日本とは全然違うので、日本のマネもできません(マネしても先に韓国が人口減で消滅します)。
というような次第で、韓国は老人の貧困率世界1位の国になっています。若者は平気で自国のことを「ヘル朝鮮」なんていいますし、袋小路です。
加えて、選挙公約で「年金改革」を謳った尹錫悦(ユン・ソギョル)さんを拘束・起訴していますし、まあ無責任な人たちばかりです。韓国の議員というのは。
※合計特殊出生率は「女性一人が15歳から49歳までに出産する子供の数の平均」です。この数字が2.2ないと人口は増えていかないといわれます。ちなみに韓国は2023年時点で8年連続の過去最低更新。
(吉田ハンチング@dcp)