Money1でもご紹介してきた中国の半導体メーカー『CXMT』が韓国企業を猛追している――という件です。
中国が技術力で負けているのは、一部半導体だけ――という状況になっており、韓国は対中国貿易で苦しくなっています。
韓国メディア『韓国経済』がいよいよ半導体の技術格差も3年まで詰まったという記事を出しています。同記事から一部を以下に引用します。
(前略)
先月17日、中国のある電子商取引サイトに投稿された1枚の写真が、世界の半導体業界を揺るがした。その写真には、「中国半導体、止まらぬ勢い」との文句が記載されており、現地DRAMモジュール企業『キングバンク』が中国製DDR5 DRAMを使用して作った32GBモジュールの広告だった。
当時、このDRAMについて「『SKハイニックス』の中国工場で生産されたDRAMを利用したものだ」との見方と、「中国のDRAM躍進が結実した」との分析が分かれていたが、その正体が明らかになった。
それは、中国の『CXMT(ChangXin Memory Technologies)』が16ナノメートルの技術で量産したDDR5 DRAMであることが確認された。
26日、産業界によると、半導体専門市場調査会社『Tech Insights(テックインサイツ)』は最近の報告書で「中国市場に出回った32GB DDR5 DRAMモジュールは、CXMTの16Gb DDR5 DRAM16個で構成されており、『CXMT』の最新16㎚「G4」DRAM技術が適用されている」と発表した。
同社は先月市場に投入された中国製DDR5 DRAMモジュールを入手し、分析を行った。DDR5 DRAMは前世代のDDR4と比べて容量が大きく、データ転送速度が約2倍速いのが特徴だ。
『CXMT』が用いた16㎚ G4技術は、2021年にサムスン電子とSKハイニックスが本格量産を始めた10ナノ3世代(1z、15.8~16.2㎚)プロセスと同じレベルにある。
これにより、韓国企業と『CXMT』のDRAM技術の差が3年まで縮まったとの分析が出ている。
DDR4に関しては、技術の差は5年以上あった。
『テックインサイツ』は、
「『CXMT』が合衆国の規制を突破し、16㎚ DRAMを量産した意義は大きい」とし、「『サムスン電子』『SKハイニックス』と競争する準備が整ったことを意味する」
と評価した。
韓国の企業は、緊張状態にあります。『サムスン電子』と『SKハイニックス』は、『CXMT』の16㎚ DDR5 DRAM技術を詳細に分析し始めるなど、対応策を模索している。
(後略)
――というわけで、汎用のメモリー製品について『サムスン電子』『SKハイニックス』を追いつき・追い越すため、中国『CXMT』はひたひたと迫ってきています。
問題は技術だけではありません。
「価格」です。技術レベルが追いつくと、中国企業というのは低価格で市場シェアを押さえにかかります。鉄鋼、太陽電池、電気自動車、バッテリー、全部同じです。
値段の叩き合いにあったら、中国企業には絶対に勝てません。汎用メモリー製品で『サムスン電子』、『SKハイニックス』は本域で危うしになってきました。
『韓国経済』は「Kメモリー超緊張」という小見出しを付けています。
(吉田ハンチング@dcp)