韓国がいよいよ低成長の沼に落ちて、後はズブズブ……という話です。
Money1でもご紹介したとおり、『韓国銀行』は2025年のGDP成長率の予測を「1.6~1.7%」としました(従来の1.9%から下方修正)。
2025年01月23日、世界的金融サービス企業『モルガン・スタンレー』は『Growing at Bare Minimum』というリポートを出しました。同リポート内では「2025年の韓国経済の展望」が示されています。
これによると『モルガン・スタンレー』は「韓国の2025年GDP成長率を1.5%」としました。
『韓国銀行』の予測より下をくぐったのです。
『モルガン・スタンレー』は、韓国の2025年GDP成長率を1.5%と予測した理由について、以下の点を指摘しています。
1.輸出の低迷(ダウンサイクルに入る)
2.経済心理の悪化
3.全産業にわたる活動の鈍化による消費回復の遅れ
どれも納得できる指摘ですが、興味深いのは以下の指摘です。
「韓国は今後、内外の逆風に直面することになる」
「(内需に関しては)韓国銀行が2024年第4四半期に政策金利を2回引き下げたものの、消費が活性化するまでにはさらに3〜4四半期を要する見込み」
――と述べています。
さらに、
「賃金の上昇が鈍化し、民間部門の雇用活動も弱まるため、家計所得に制約がかかる」
「消費の本格的な回復は期待しにくい」
――と指摘。まったく明るくない予測ですが、外国からは「韓国はこう見える」のです。
「20兆ウォン」を突っ込んで0.2%の効果か
李在明(イ・ジェミョン)さんが喜ぶかもしれませんが、『モルガン・スタンレー』は、今後の政策について「補正予算」と「利下げ」を行うことが鍵である――としました。
予測と提言をまとめると以下のようになります。
1.補正予算(20兆ウォン規模)
政府は約20兆ウォンの追加財政パッケージを推進する可能性が高い。
中小企業・低所得層・多重債務世帯の支援を目的とする可能性がある。
これにより2025年末から2026年にかけて成長率を0.2%押し上げる効果が期待される。
2.『韓国銀行』は利下げすると予測
『韓国銀行』は2025年02月にも基準金利(政策金利)を引き下げる可能性がある。
さらに2025年第4四半期まで継続的に利下げを実施する見込み。
低金利環境が2025年第4四半期以降の消費回復を促進。
まあ至極当然なアドバイスともいえますが、財政パッケージに突っ込むだけのお金はないよね――という点です。国債を発行して資金調達する以外に手はないです。
また政府負債を積む話ですが、やらざるを得ません。
ただ、景気がどん底な状況で、たかだか20兆ウォン突っ込んだところで効きますか?――なのです。
(吉田ハンチング@dcp)