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韓国の「あれもくれ」「これもくれ」

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出ない・出なかったプレスリリース

2023年03月06日、韓国政府は「いわゆる徴用工」問題の解決法を公表したのですが、外交部はこれについてプレスリリースを出しておりません。

非常に重要な決断をしたにも関わらず、「いわゆる徴用工」問題の解法について、なぜプレスリリースが出ないのでしょうか。では、「第20代大統領室」のサイトには出ているのか?

答えは「NO」です。

ただし、「第20代大統領室」のサイトには「2023年度第10回国務会の発言」として上掲のとおり、「政府は昨日、強制徴用問題に関する韓日関係改善案を発表しました」と尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の言葉を伝えています。

提示した解決法の中身がどのようなものであったのか(代位弁済プランなど)は伝えていません。

また外交部は、定例ブリーフィングについてのプレスリリースも出しませんでした。07日は定例の火曜日なのに、その日のうちには出なかったのです。

代位弁済に反対する公式文書を送ったぞ!

本日08日になって、ようやく07日の定例ブリーフィングのプレスリリース出ました。

「いわゆる徴用工問題」についての「記者-報道官の質疑応答」部分を引用します。

II.質疑応答

(前略)
<質問>
強制徴用(原文ママ:引用者注)解法のフォローアップに関して質問を二つをお伺いしたいのですが、まず被害者側に対する説得作業にどんな計画を立てているのか、これが最初の質問です。

そして二つ目は、日本の誠意ある応対を促すことや日韓協力議論の次元で具体的な対面日程が決まっているか、特に日本の『共同通信』は昨日「16日と17日の尹大統領の日本訪問案が浮上している」という報道をしましたが、現在、そのような日程を調整中なのか、お答えください。
(『聯合ニュースTV』ハン・サンヨン記者)

<回答>
二つの質問をいただきました。

まず、被害者に対する説得作業と日韓間の高官交流の可能性についていただいた質問です。

昨日(このブリーフィングは07に行われたもの:引用者注)、朴振(パク・ジン)外交部長官が強制徴用最高裁判決に関する政府の立場についての発表を行いました。

その後、強制徴用被害者を支援する私たちの関連財団と外交部は、被害者たちと接触し、これまでの政府の立場と経過などを詳しく説明し、真摯な姿勢でこの方々の理解を助け、同意を求める努力をしていきます。

そして二つ目、韓国大統領の日本訪問については、まだ決まっていません。もし決まれば大統領府から発表することになると聞いています。

(中略)

<質問>
強制動員解決法に関して二つの質問があります。

最初の質問は、一部の被害者関連訴訟代理人側から第3者弁済方式を受け入れないという公式文書を日本企業と財団側に送ったということですが、この点について、韓国外交部の立場を説明していただければ幸いです。

また二つ目は、昨日の説明の過程では15人の被害者の方々について、コミュニケーションが全て行われていない状態でしたが、現在の状況が、残りの方々全てと連絡先の確認などが行われ、コミュニケーションのための準備が完了した状態なのか、この部分について教えていただければ幸いです。

そしてまた最後に、先ほど「お会いして私たちの政府の真摯な努力を説明しながら、コミュニケーションしていく」と述べられましたが、現在、このような解決策を望んでいない一部の被害者の方々からは、これが匿名の非常な圧力と見なされ得る、という指摘についても、どのようにお考えか教えていただければ幸いです。
(『MBC』ホン・イププ記者)

<回答>
外務省の政府の立場発表が昨日行われましたので、今後、今回の最高裁判決に関連する被害者、原告側を対象として、先ほど申し上げたように、政府レベルのこれまでの努力と政府の立場を説明し、被害者側の意見を聞いて、その方々の同意を求める努力を続けていくことになります。

先ほど申し上げました一部の団体の代位弁済についても、まだ被害者の方々の意見を私どもが直接お聞きしたわけではありませんので、今から先に申し上げることは適切ではないと思います。

また、3つ目のご質問の点につきましても、こうした政府としての取り組みは、最高裁判決に基づく私たち原告側の当然の権利を行使することができるということをお知らせするものでありますので、こうした私たちの取り組みがこの方々を圧迫するという意見には同意しません。

<質問>
日本メディアによると、日本の文部科学大臣が徴用問題と関係なく、佐渡鉱山を世界遺産に登録するために全力を尽くすという立場を明らかにしましたが、これに対する韓国政府の立場はどのようなものか知りたいです。
(『聯合ニュースTV』ハン・サンヨン記者)

<回答>
韓国政府は、佐渡鉱山が2015年に登録された日本の近代産業施設と同様に、戦時強制労働という類似の歴史と背景を持つだけに、近代産業施設登録時に日本が自ら約束したフォローアップ措置と世界遺産委員会の決定から忠実に履行されることが重要だという立場です。

また、佐渡鉱山の登録については、現在、ユネスコ世界遺産センターで諮問機関の審査手続きが行われていると聞いています。

政府は、戦時中の強制労働の苦い歴史を含む歴史全体が忠実に反映されるよう、ユネスコなど国際社会とともに引き続き努力していく予定です。

追加質問がなければ、本日のブリーフィングを終わります。 ありがとうございました。 以上。

⇒参照・引用元:『韓国 外交部』公式サイト「外交部の説明(3.7)」

外交部報道官は、特に当たり障りのあるような回答をしていません。

しかし、この記者会見で興味深いのは、むしろ記者からの質問です。

「一部の被害者関連訴訟代理人側が第3者弁済方式を受け入れないという公式文書を日本企業と財団側に送った」という指摘が出ているのは注目に値するでしょう。

公式文書がこうようがこまいが、日本企業と財団は鼻息で吹き飛ばすので問題はありません。ただし、代位弁済プランを原告が飲まないということであれば、プランを進めることができません。

債務を新債務者に譲渡するには、債務者と新債務者の合意だけではなく、原告の同意が必要になるからです。

もし、韓国政府が本当にこのプランを進めるのであれば、原告・自称徴用工に「債務譲渡に同意する」というハンコをもらってこないといけないのです。

韓国の「あれもくれ」「これもくれ」

また、佐渡金山の世界遺産登録問題についての質問が出ている点も要注目です。むしろこちらの方が興味深い点ではないでしょうか。

韓国の記者は、日本の文部科学大臣が「徴用問題と関係なく、佐渡鉱山を世界遺産に登録するために全力を尽くす」と言ったのが気に入らないように聞こえます。

邪推すれば、徴用工問題で「韓国が完敗」したのだから、佐渡金山の件では負けるわけにはいかない、韓国政府はこれも譲るんじゃあるまいな(あるいは「佐渡金山の件では日本は譲れよ」)――そんなところではないでしょうか。

先にご紹介したとおり、今回の解法なるものが出たことで、妙に「日韓が雪解け」的な調子になっています。「日韓通貨スワップ」もしかり、「輸出管理強化の解除」もしかりです。

韓国側が舞い上がっているのかもしれませんが、日本政府に求められているのは「それはそれ、これはこれ」という態度です。政治用語でいうなら「是々非々」でしょう。

特に韓国メディア(あるいは政府)はこれを期に「あれもくれ」「これもくれ」と言い立てるかもしれません。

「いや、もうそうなっている」――と見る方が正しいのではないでしょうか。

日本政府は「それとこれとは別だ」という態度がとれるでしょうか。脇の甘い岸田文雄政権がぐずぐずな態度にならないように監視する必要があります。

(吉田ハンチング@dcp)

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