韓国は「雰囲気司法」で、法の下の平等が本当に達成されているのかが甚だ疑問です。運動圏上がりの判事が裁判所で幅を利かせているという批判はかねてよりありました。
槍玉に挙げられるのは『ウリ法研究会』※であり、その後身とされる『国際人権法研究会』です。この2つの団体は、左派・進歩系の考えを持つ法曹人を輩出し、その考えに偏向した判決を出してきた――と批判されます。
※念のために書きますが『ウリ法研究会』は2010年に解散していますが、翌2011年に設立された『国際人権法研究会』がその後継と見なされています。
もともと『ウリ法研究会』は、1988年、金容喆(キム・ヨンチョル)大法院長の再任――これに反発して起こった「第2次司法騒動」を主導した若手裁判官たちによって結成された裁判所内の研究会です。康錦実(カン・クムシル)元法務部長官、朴時煥(パク・シファン)元大法院判事が創設メンバーとして知られています。最凶最悪の大法院長だった金命洙(キム・ミョンス)、李容九(イ・ヨング)元法務部次官、韓東洙(ハン・ドンス)元大検察庁監察部長なども『ウリ法研究会』出身です。
この左派・進歩系団体に対立するといわれるのが、保守寄り『民事判例研究会』です。
「韓国では政治的でないものなど何もない」――のですが、政治的志向によって判決さえ左右されるのが韓国で、ゆえに法治国家などはでありません。
現在、またぞろ司法の政治的偏向性が話題になっているのは、憲法裁判所において「尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領弾劾訴追案の合憲性」が審理されているからです。
先にご紹介したとおり、憲法裁判所は三審性ではありません。一発勝負です。ここで弾劾訴追の可決が合憲を判断されたら、即罷免です。
尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領を守るためには、憲法裁判所による合憲判断が否決されなければなりません。そのため、憲法裁判所の判事が「本当に政治的に偏向していないのか?」が問題にされるわけです。
現在、最高裁判所には8名の判事がいますが、6名が合憲判断をすれば罷免で、5名しか賛成しなければ否決です。
――で、明らかに左派・進歩系の判断を下すであろう『ウリ法研究会』出身者はというと、以下のようになります。
↑憲法裁判所の判事の定数は9人ですが、現在は8人しかいません。
文炯培(ムン・ヒョンベ)
李美宣(イ・ミソン)
金炯斗(キム・ヒョンドゥ)
鄭正美(チョン・ジョンミ)
鄭亨植(チョン・ヒョンシク)
金福亨(キム・ボクヒョン)
鄭啓善(チョン・ゲソン)
趙漢昌(チョ・ハンチャン)
8名のうち、文炯培(ムン・ヒョンベ)、李美宣(イ・ミソン)、鄭啓善(チョン・ゲソン)の3名が『ウリ法研究会』に所属していました。また、金炯斗(キム・ヒョンドゥ)、鄭正美(チョン・ジョンミ)の2名が、最凶最悪の金命洙(キム・ミョンス)大法院院長と関わりがあります。
これだけですでに5名です。この5人は、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領弾劾に正当性を認める可能性が高いと考えられます。
――「尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の弾劾反対」の声が高まっているのですが、さて韓国の「雰囲気司法」はどのような判断を下すでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)