2025年03月13日、『韓国銀行』が「通貨信用政策報告書」を公表しました。これは非常に興味深いリポートで、とても良い内容です。
中でも有用性が確認できたとして「金融状況指数(FCI-G)」※を用いた金融状況の分析が白眉です。「FCI-G」の説明は長くなるので端折りますが、『韓国銀行』が韓国経済について、第2期トランプ政権の登場によって何を懸念しているのかをリポートしているので、それについて、要所を引いてご紹介します。
まず、第2期トランプ政権によって、貿易政策の不確実性が増すことです。韓国は貿易の儲けによって成立している国なので、貿易の不確実性が増すことは「大変に困る」のです。
以下をご覧ください。
「貿易政策の不確実性指数」は、上掲のとおり第1期トランプ政権でも大概なものでしたが、すでに高値で張り付いており、不確実性が非常に高まっていることが分かります。
『韓国銀行』が第2期トランプ政権が関税戦争を行って、韓国にもとばっちりが来た場合を憂慮しているのは、以下のような状況に陥っているからです。
韓国の全体「輸出」に占める、対合衆国・対中国の割合ですが、対中国は右肩下がりで落ち、対合衆国は右肩上がりで上昇して、ほぼ同じくらいの割合まできています。
ここで関税攻撃を食らって、対合衆国輸出が減少したらどうなるか?――です。
もちろん経済が傾くでしょう。
※「金融状況」とは、一般的に長短期の市場金利、株価、為替レートなどの資産価格の水準を総合的に示す概念。『BIS』は包括的に「経済活動に必要な資金調達の利用可能性とコスト」と定義しています(2023年11月)。金融状況指数は「Financial Conditions Index」の略で「FCI」と呼ばれます。
(吉田ハンチング@dcp)