韓国『現代自動車』の販売している車種の中に「IONIQ5」(アイオニック・ファイブ)という電気自動車があります。
↑日本でも販売されている電気自動車「IONIQ5」。PHOTO(C) Hyundai Mobility Japan Co., Ltd.
この「IONIQ5」は非常に不思議な自動車です。
2022年06月、衝突してスグに火災を起こした、として話題になりました。
2022年06月04日23時頃、韓国の釜山江西区の南海高速道路の西釜山料金所で、「IONIQ5」が事故を起こしました。衝撃吸収帯に突っ込んだ同車は、その直後にパンという音ともに炎上。
約3秒で車両は炎に包まれ、運転していた男性と助手席にいた女性は脱出できず、気の毒にも亡くなってしまったのです。
消防車両は約15分で現場に到着したのですが、「IONIQ5」はほぼ全焼してしまいました。
お二人の死因は火災ではなく、シートベルトをしていなかったことによって、衝突時に多発性骨折によって死亡したと推測されています。しかしながら、衝突約3秒ですぐにクルマが炎上したというのは尋常なことではありません。
しかも、衝突してすぐに車両から炎が上がったののは、これ1件ではないのです。
2022年06月25日、龍仁市の上峴洞にある(よりによって)メルセデス・ベンツのショウルームのすぐ横の路肩に、スピートを出しすぎて左折しそこなった「IONIQ5」がぶつかり……この車両がすぐに発火、炎上してしまいました(以下がそれを捉えたレコーダーの動画)。
不幸中の幸いで、このクルマから上がった炎は大きなものではなかったので、死者を出さずに済みました。
冒頭で不思議な電気自動車だというのは、この「IONIQ5」が「最高安全性能を持つクルマ」だとして評価されていることです。
例えば、2022年07月01日付けの記事ですが『毎日経済』には「現代自動車アイオニック5、米『IIHS衝突評価』で最高の安全性を証明」という記事を出しています。
記事の冒頭部分を引用してみます。
欧州新車安全性評価「ユーロNCAP」で最高評価を獲得したアイオニック5が米国衝突評価でも最高評価を獲得した。
『現代自動車』は、米国高速道路安全保険協会(IIHS)が発表した衝突評価でアイオニック5が最高等級の「トップセーフティーピックプラス(TSP+, Top Safety Pick+)」を獲得したと30日(現地時刻)明らかにした。
(後略)⇒参照・引用元:『毎日経済』「現代自動車アイオニック5、米『IIHS衝突評価』で最高の安全性を証明」
この記事が出る1週間前には、路肩にぶつかった同型車がすぐに炎上しているにもかかわらず、衝突評価で最高等級を得たというのです。
欧州とアメリカ合衆国の両方で、です。
不思議なことだとは思われませんか? 不思議だと思ってはいけないのでしょうか?
火災を起こしているのは事実です。しかし、アメリカ合衆国と欧州では衝突性能が最高級のものであると評価されているというのです。
なぜこんなことが起こるのでしょうか?
もし理由が分かる方がいらっしゃったら、ぜひご教示ください。
(吉田ハンチング@dcp)