韓国海洋水産部の公務員イ・デジュンさんが北朝鮮海域で銃殺された事件(詳細は下掲記事を参照してください)について、新たな事実が明らかになりました。
事件が明らかになったのは2020年09月22日。事は北朝鮮海域で起こり、また韓国政府が「イさんは越北した」と断定したので、国連のあの組織が黙っていませんでした。
『国連人権高等弁務官事務所』(Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights:略称「OHCHR」)です。
韓国メディアの報道によれば、2020年11月17日、『OHCHR』は本件に関して当時の文在寅政府に書簡を送っていたのです。この書簡に対し、韓国政府は2021年01月15日に回答を送ります。
この回答が実に文在寅政権らしいものだったと判明しました。
国連からの「韓国政府は越北としているが現行法による犯罪なのか」という質問に対して、韓国政府は、
(前略)
「越北だけでは厳密には犯罪ではないが、国家保安法によると国家の存立・安全や自由民主的基本秩序を危うくするという点を知りながら越北したなら処罰可能だ」と答えた。
(後略)
国家保安法の第6条は「国家の存立・安全や自由民主的基本秩序を危うくすることを知りながら反国家団体の支配下にある地域から潜入したり、その地域に脱出した者は10年以下の懲役に処する」と定めています。
越北者なら犯罪者なのか、という質問への回答がこれです。文政権はこの時点で、イさんを国家保安法違反での犯罪者だと規定していたことになります。
しかし、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権になってから、当時調査に当たった海洋警察、海軍が「イさんを越北者と断定できるものはなかった」という事実上の謝罪会見を行いました。
つまり、文政権の『OHCHR』への回答も見当違いのものだったことになります。文政権で「越北者」と決めつけられたイさんの遺族は非常に社会的な批判を受けたとのこと。少なくとも本件に絡んだ文政権の人たちは、イさん、またイさんの遺族に対して謝罪しなければならないでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)