皆さんは、李大根先生の『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』という労作をご存知でしょうか。
この著作は日本の朝鮮併合によって朝鮮半島がいかに近代化、工業化したのか、そして敗戦によって日本人がほとんど着の身着のままで朝鮮半島から引き上げた際にどのくらいの資産が残されたのか、を当時のデータを追ってつまびらかにしたものです。
現在の韓国では「植民地時代に日本が行ったことは収奪、搾取ばかりだった」などという言説が広く信じられていますが、とんでもない話です。
日本は世界で他に類を見ない「植民地の工業化」を成し遂げました。
この成果がそっくり占領軍であるアメリカ合衆国に接収され、これが新しい韓国という国に引き渡されたのです。
ちなみに本のタイトルにもなっている「帰属財産」は、合衆国が接収した際に残された日本資産を「vested property」と呼んだことが元になっています。これは、合衆国の軍政から韓国政府に引き渡されて「敵性資産」などと呼ばれることになります。
ともあれ、日本からの莫大な資金・技術の流入が朝鮮半島を近代化したことは紛れもない事実です。
日本が朝鮮半島に残した資産が総額いくらになるのかは、この李先生の『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』によれば、「約52億ドル(南韓23億ドル、北韓29億ドル)」と推計されています。
これは莫大な金額です。
監訳者である黒田勝弘先生は同本のまえがきで、以下のように書かれています。
(前略)
それはともかく、日本の読者として気になるのは帰属財産の規模である。本書ではその評価額について当時の米軍当局や日本政府の推計として、朝鮮半島全体で五二億四六〇〇万ドル、日本円で七百億円規模という数字が紹介されている。
(中略)
さらにこの数字は現在の通貨価値でどれほどになるのか。
本書では触れられていないが、物価指数をどのように評価するかで数字が大きく異なる。
たとえば当時のドルの総額について財政専門家(公務員)に私的に試算してもらったところ、日本の物価指数を適用すれば、消費者物価指数では約一〇〇〇億ドル(約10兆円)、企業物価指数では約一兆ドル(100兆円)になるという。
韓国の物価指数を適用するとその額はさらに膨らむ。
(後略)⇒参照・引用元:『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』著:李大根、訳:金光英美、監訳者:黒田勝弘,文藝春秋,2021年10月10日 第1刷発行,p.4
接収された日本資産は、現在の価値に換算して10兆~100兆円にもなるというのです。それだけではありません。日本併合によって朝鮮半島には、近代法による法治、行政、文化など無形資産も多くもたらされました。
韓国という国は、日本によって産業革命が起こり、日本によって近代化の基礎が築かれたのです。この点には疑問の余地はありません。
読者の皆様もぜひ『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』を一読ください。目からウロコが3枚ぐらい落ちること請け合いです。
(柏ケミカル@dcp)