2024年09月25日、韓国の産業通商資源部が以下のようにプレスリリースを出しました。
例の、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領が自身で発表するほど力の入った日本海の海底油田開発についての続報です。
一応全文和訳しますが、面倒くさい方は飛ばしても大丈夫です。
東海(原文ママ:以下同)深海ガス田本格的な掘削を前に進捗状況の点検と今後の戦略を協議
– 産業部長官主催「第2回東海深海ガス田開発戦略会議」開催産業通商資源部(長官 安徳根(アン・ドックン)、以下産業部)は、09月25日(水)にソウル石炭会館で関係省庁、国策研究機関、関連学会、資源公企業、民間企業が参加する「第2回東海深海ガス田開発戦略会議」を開催し、掘削計画、探鉱制度の改善、投資誘致などの進捗状況を点検し、今後の戦略を協議しました。
産業部は、第1回目の戦略会議(06月21日)以降、戦略会議傘下に技術、制度改善分野など2つの分野にアドバイザリー委員会を運営してきており、今回の会議では、これらのアドバイザリー委員会がこれまで検討してきた
①掘削関連の技術的事項、
②探鉱制度の改編案とともに、
③投資誘致の進捗状況および今後の計画について議論しました。
技術アドバイザリー委員会は、国内の6つの学会から推薦された12人の専門家で構成されており、東海深海ガス田の技術評価結果などに基づき、有望な構造や掘削位置を詳細に検討しました。
同委員会は、
①全体的に有望な構造の導出は合理的に行われたと評価し、
②石油公社が1次井の掘削対象として暫定的に選定した位置は適正であり、
③今後、1次井の掘削後に精密分析を行い、次の掘削の成功率を高めるべきだと提言しました。
『韓国石油公社』は、技術アドバイザリー委員会※の検討結果などを反映し、1次井の掘削計画を策定し、掘削1カ月前までに産業部に承認を要請する予定です。
※(技術アドバイザリー委員会構成学会)大韓資源環境地質学会、大韓地質学会、韓国石油工学会、韓国石油地質堆積学会、韓国資源工学会、韓国地球物理・物理探査学会
制度改善アドバイザリー委員会※は、国内の探鉱制度の改編案を検討しました。同委員会は、
①探鉱料(ロイヤリティ)は企業と政府の間で適切に利益を分配できるよう、現行の生産量基準の課税方式を、企業の収益性に比例して課税する方式に改善すること、
②高油価の時期には探鉱料の追加課税(特別探鉱料)を行うこと、
③生産終了後の企業の原状回復義務を考慮し、特定の時点から毎年、企業に原状回復費用を積み立てさせる義務を設けること
を提言しました。
政府は制度改善アドバイザリー委員会の検討結果を反映して、探鉱制度の改編案を確定する予定であり、具体的な制度改編の内容は、海底鉱物資源開発法施行令の立法予告を通じて公開される予定です。
※(制度改善アドバイザリー委員会構成メンバー)学会、研究機関、法律事務所などからなる7人
一方、投資誘致に関して、『石油公社』はグローバルメジャー企業を対象に投資説明会を開催しており、10月中にアドバイザーを選定して投資誘致戦略を立案し、本格的な投資誘致活動に着手する予定だと発表しました。
産業部は今後も、東海深海ガス田開発戦略会議を通じて関係省庁、業界、専門家と継続的に対話を行いながら、ガス田開発を遅滞なく推進していく計画です。
安徳根(アン・ドックン)長官は、「今年12月に1次井の掘削を確実に進め、探鉱料など制度の改善も年内に完了し、有望な企業の投資誘致につなげられるよう全力を尽くす」と強調しました。
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』公式サイト「東海(原文ママ)深海ガス田本格掘削を控えて進行状況チェックおよび今後の戦略議論」
韓国政府は「やる気マンマン」だ!
まとめますと、
●試掘する箇所の判定は合理的に行われ、選定した位置は適正なので、1次井の掘削後に精密分析を行い、次の掘削の成功率を高めるべき
と技術アドバイザリー委員会は提言。つまり「出るんじゃない?」と判断したわけです。
制度改善アドバイザリー委員会は、
●探鉱料(ロイヤリティ)を政府と企業の間で収益を適切に分配できるように提案
(市場で石油が高騰するときは企業に追加課税/原状復帰の義務を負わせるetc.)
としました。言葉は悪いですが「トラタヌの計算」を行っています。
結論として産業通商資源部が「2024年末掘削スタート」に向けて準備する――とのことです。
韓国政府は試掘に向けて動きを進めています。
まあ「好きにしなはれ」なのですが、問題は「お金があるのか?」です。
Money1でも先にご紹介しましたが、試掘坑を1本掘るのに1,000億ウォン掛かるとされています。予定では5本掘るつもりですので、計5,000億ウォン。用意できているのは『石油公社』の120億ウォンだけです。
何度もいいますが、韓国政府にはお金がありません。とにかく試掘坑は自分たちで掘らないといけませんので、どこかからお金を引っ張ってくるしかないのです。
『石油公社』はグローバルメジャー企業を対象に投資説明会を開催――とのことですが、誰が参加してくれるでしょうか。
そもそも「成功確率20%というのは5本掘れば1本当たるということだ」という説明もどうかと思いますが、年末はもうすぐソコ。ご注目ください。
(吉田ハンチング@dcp)