韓国の文在寅政権も残りわずかとなり、文大統領もなりふり構っていられなくなったように見えます。合衆国・日本・中国との関係はどこをとっても良くありませんので、北朝鮮との関係だけは自分が大統領のうちになんとかしたいようです。
南北の通信ラインを回復し……
2021年07月27日に、南北の通信ラインを同日10:00を期して復元した――との発表が青瓦台・大統領府からありました。
Money1でもご紹介した、2020年06月16日に北朝鮮が共同連絡事務所を爆破してから約13カ月ぶりに通信が回復されたわけです。
これは文大統領が数度に渡って北朝鮮に親書を送って実現されたものですが、北朝鮮側も食糧不足で困っていますのでまさに渡りに船といったところでしょう。南朝鮮から食料援助が引き出せれば大変に助かります。
南朝鮮側は、なにせ北朝鮮に原発を建設しようとした疑惑のある文大統領ですから、援助が行えるのなら喜んで実行するでしょう。
そこで問題になるのがアメリカ合衆国の態度です。
合衆国国務省が南北通信ライン回復に肯定的?
で、今回の本題ですが、韓国メディア『ソウル経済』が「【独占】米国務省、北通信線復元に先制の『肯定信号』」という記事を出したのです。
記事から一部を引用します。
(前略)
ソウル経済は合衆国国務省に、この日、「北朝鮮の金正恩国務委員長が南北通信ライン復元を先に提案した」という国家情報院の発言に対してコメントを要請した。国務省は「これは肯定的な信号(positive step)」とし、「合衆国は、南北間の対話と関与を支持し、南北の通信連絡ラインが復元されたことを歓迎する」と答えた。
続いて「朝鮮半島の完全な非核化と永続的な平和を達成するために、外交と対話は必要不可欠な要素」と強調した。
(後略)
日本ではあまり報道されていませんが、この南北通信ラインの復元について、韓国の国家情報院は「金正恩総書記からの要請で行った」と述べた――ことになっています。
しかし、これを韓国統一部は「通信ラインの復元はいずれか一方が先に要求したものではない」と否定しているのです。
金正恩総書記は「二度と南朝鮮とは話をしない」として共同連絡事務所を爆破しましたから、金さんの方から「通信ラインを復元しよう」と要請したというのはあり得ないような話なのですが……。
また、合衆国国務省は『ソウル経済』の取材に「肯定的な信号」と答えたことになっていますが、これは「金正恩総書記から要請があった」とする国家情報院の談話に対する意見です。
つまり、「北朝鮮がコミュニケーションを求めているのはいいサインだ」という意味ではないでしょうか。もし、韓国側から通信ラインの復元をもちかけたというのなら、国務省の意見も変化しないでしょうか。「利敵行為に走るのではあるまいな」みたいに。
いずれにせよ、いろいろ気になる報道であります。
(吉田ハンチング@dcp)