韓国メディア『聯合ニュース』に、イラン大統領の就任式に崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官が政府代表として出席する――という記事が出ました。
この崔さんは、先に韓国船籍のタンカーがイラン革命軍に拿捕された際に、イランに飛んで交渉に当たった人です。今回のイラン訪問でもアラグチ外務次官と会談を行い、韓国が銀行口座に凍結している原油代金70億ドル(約7,636億円)の件について交渉する、と報じられています。
大統領就任式があるとはいえ、また急な話ですが、実はイランメディア『Tabnak』に以下のような記事が出ているのです(2021年07月31日)。
(前略)
韓国からの商品の輸入を禁止する計画
(↑は中見出し:筆者注)国会議員のモーセン・アリザデ氏は、韓国におけるイランの資産の凍結について次のように述べている。
「イラン市場では、大量の韓国製の家電製品、携帯電話、自動車があふれている。輸入禁止を行えば、輸出品の大部分が問題に直面するだろう。
彼らが義務を果たさない場合、議会は禁止措置を追求するだろう」
一方、イスラム諮問会議の国家安全保障外交政策委員会の副委員長は、韓国によるイランの資産の封鎖をイスラム共和国に対する同国の法的および国際的な過ちと呼び、国家安全保障委員会は「来週の日曜日にこの問題を慎重にフォローアップし、対策について話し合」と述べた。
韓国の『聯合ニュース』では全く触れられていませんが、韓国による70億ドル凍結はイランでは大変に怒りを買っており、国家安全保障委員会の議題になるほどで、さらに「韓国製品の輸入禁止措置」を行う可能性があるのです。
韓国政府が崔さんを派遣するのは、このようなイラン政府の動きが背景にあるからなのです。
前回何を約束して船舶を解放してもらったのか、現在に至るも不明ですが、今回はどうやってイラン政府を説得するつもりでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)