ちょっと待って、今あなたは大変なことを言いましたよ――という話です。
2022年08月04日、韓国政府、大統領室の崔相穆(チェ・サンモク)大統領室経済首席秘書官が「経常収支は黒字が予想され、財政収支と経常収支が両方とも赤字になる可能性はない」という考えを示した――のですが、同時にこのように発言しています。
「(経常収支は)年間300億~400億ドルの黒字が予想される」
大統領室の崔経済首席は「2022年の韓国の経常収支は300~400億ドルの黒字予想」と述べたのですが、これは韓国経済にとって大幅な縮小です。
先の記事で使った経常収支(2021年と2022年の推移)を再度以下に貼ってみます。
01~06月「経常収支」累計
2021年:417億5,580万ドル
2022年:247億8,290万ドル2022年は対前年同期比で「-169億7,290万ドル」
※データ出典は『韓国銀行』のECOS
データが出ている01~06月、2022年は2021年より常に下にあります。2022年の経常収支はいまだ一度も2021年を上回ったことはないのです。
では、2021年通年での経常収支はいくらだったかというと、
経常収支
2021年:883億220万ドル
2021年:883億220万ドル
です。2022年は上半期が締まった段階で上掲のとおり、「247億8,290万ドル」に過ぎません。
崔経済首席は「300~400億ドル」で締まると予測しているわけですから、たとえ400億ドルだったとしても、2021年の半分未満、「45.3%」にしかなりません。
また、下半期には152.17億ドルしか積めない、と読んでいることになるのです。
韓国政府は韓国経済の先行き(少なくとも2022年いっぱい)を非常に厳しいと見ています。無理もありませんが。
(吉田ハンチング@dcp)