韓国の電力インフラを支える『韓国電力公社』が財務上の危機的状況となっています。
先進国なのに電力インフラ企業が飛びそう!
先にご紹介しましたが、『韓国電力』の2022年第1四半期の成績は以下のとおりです。
↑Google Chromeの自動翻訳なので日本語がヘンなところがありますがご寛恕ください。2022年第1四半期
総売上:16兆4,640億7,000万ウォン
営業利益:-7兆7,869億2,200万ウォン
当期純利益:-5兆9,259億2,400万ウォン
第1四半期だけで約7.8兆ウォンの赤字で、通年では30兆ウォンの赤字になると推測されています。
もう何度紹介したか分かりませんが、このような赤字になったのは石炭・石油の価格が急騰したためです。また、国民の生活を圧迫するという理由で、政府から「電気料金の値上げはまかりならん」とされたためでもあります。
しかし、さすがに国のインフラを一手に引き受ける公社が飛びそうというのは全くシャレになりません。
――仕方がないので「第3四半期から電気料金を上げるか」となっています。
ところが、これが思うようには上げられない仕組みになっているのです。
値上げの最大幅が決められている!
ずいぶん前にMoney1でもご紹介したことがありますが、
年間通じて「最大±5ウォン」
という枷がはめられています。
つまり、重い腰を上げて「しゃあない値上げするか」になったとしても3ウォンしか値上げできません。
これに対して、2022年06月16日に『韓国電力』自身が政府に提出した資料では「第3四半期には燃料費調整金をkWh当たり33ウォン上げなければならない」としています。
・基本料金
・電力量料金
・気候環境料金
・燃料費調整料金
から構成されています。
『韓国電力』からすれば「3ウォン上げても駄目です」――なのです。『韓国電力』の要求する値上げ規模の11分の1にしか過ぎないのですから。
さらに、韓国メディアの試算によると、3ウォン程度の値上げでは「8,149億ウォン」程度の利益増にしかならない、とのこと。
これから22兆ウォンの営業赤字を積み上げる予測が出ているのに、8,149億ウォン上がったところでなんになるでしょうか。
電力行政が根本的に間違っているのだ!
つまり、電力行政の建て付けが根本的に間違っているのです。
この構造的な欠陥を修正しないことには、「先進国」だというのに、電力インフラを預かる公社がデフォルトしそう――などという不名誉な状況を脱することはできません。
念のために書きますが、全く尹錫悦(ユン・ソギョル)政権のせいではありません。
文在寅大統領が間違った「正義」をふりかざしてクリーンエネルギー政策に走り、電力行政を捻じ曲げたのが原因です。
しかも、自分の政策に従わないだろう公的機関のTopを辞任に追い込むということまでやっています(これがブラックリスト疑惑です)。
『韓国電力』の惨状は、「頭の悪い働き者」が大統領に就任するとどんな被害が生じるのか、ということを身を持って示しているともいえるでしょう。
(吉田ハンチング@dcp)