2025年03月11日に公示された『サムスン電子』の「事業報告書(2024.12)」を見ると不思議なデータがあります。
「II.事業内容」の「3.原材料及び生産設備」「主要原材料の現況」の表組なのですが――以下をご覧ください。事業のためにどんな原材料を購入しているのか、を示したものです。
↑APを10兆9,326億ウォンも購入しているのです。
『Qualcomm(クアルコム)』などからモバイルAP(アプリケーションプロセッサー)を10兆9,326億ウォンも購入しています。
約11兆ウォンです。
APはスマーフォンの頭脳となるパーツです。『サムスン電子』はスマートフォンの「頭脳」となるAPを外部から調達しているのです。
『クアルコム』の「Snapdragon(スナップドラゴン)」を購入しなければならない、というのは、韓国を代表する半導体企業としては「いかがなものか」です。
『サムスン電子』は「Exynos(エクシノス)」という自社開発のAPを持っていますが、発熱や電力効率の面で劣ると指摘され、ユーザーからの評判も良くありません。
「熱々CPU」などと揶揄される所以です。そのため、自社ブランドスマホ「Galaxy Sシリーズ」のグローバル市場ではスナップドラゴンの採用が進んでいるというのが現状です。
しかも、2024年の「10兆9,326億ウォン」という金額は、スマホを担当するMX(モバイルエクスペリエンス)事業部の2024年の営業利益「10兆6,000億ウォン」より多いのです。
スナップドラゴンをそれだけ買っても利益が残るというのは、いいことかもしれませんが、自社で作れればもっとお金が残るのではないでしょうか。
韓国第一の半導体企業なのに、よそからモバイルAPを買わなければならないというのは、やっぱりヘンではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)