韓国政府・格付け会社『S&P』と協議「韓国経済への確固たる信頼を再確認した」。ほんとぉ?

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韓国政府は毎年信用格付け会社との協議を行っています。

2025年03月14日、韓国の企画財政部は世界的な信用格付け会社『S&P』との年次協議を行った旨のプレスリリースを出しました。

Money1でもご紹介していますが、企画財政部の部長、崔相穆(チェ・サンモク)さんはそもそもが、副首相であり、兼企画財政部のTopなのです。


↑大統領代行まで背負わされている企画財政部Topの崔相穆(チェ・サンモク)さん。

この段階で仕事し過ぎですが、現在国務総理(首相に相当)の韓悳洙(ハン・ドクス)さんは弾劾訴追案が可決されたことで停職。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領も、釈放されてソウル拘置所からは解放されたもの、弾劾訴追されて停職中。

そのため、崔相穆(チェ・サンモク)さんは大統領代行も背負わされています。仕事アリ過ぎで、倒れないかが心配される状況です。

信用格付け会社との年次協議にも以下のようにしっかり出席しています。

S&Pとの協議:韓国経済の安定性と政策方針を確認
崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行兼副首相・企画財政部長官は、03月14日(金)午前10時に政府ソウル庁舎で、国際信用格付け機関『スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)』の年次協議団と会談し、韓国経済の現状と主要政策方針について議論し、韓国経済への確固たる信頼を再確認した。

参加者(S&P協議団)
KimEng Tan:S&P国債信用格付アジア太平洋地域総括責任者
Andrew Wood(アンドリュー・ウッド):S&P国債信用格付担当ディレクター
キム・デヒョン:S&P金融機関信用格付担当ディレクター
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 企画財政部』公式サイト「崔相穆(チェ・サンモク)大統領代行副首相兼企画財政部長官、S&P年次協議団と面談実施」

プレスリリースでは「韓国経済への確固たる信頼を再確認した」となっていますが、「ほんとぉ?」なのです。なにせ大統領と首相が「停職中」という異常事態です。

大統領と首相がふたりとも自宅待機――という時点で「この国は大丈夫なの?」となるのが普通でしょう。

勇ましいプレスリリースになってはいますが、面白いのが『S&P』からの質問と、それについて崔相穆(チェ・サンモク)大統領代行の回答です。

『S&P』が韓国における格差問題について尋ねたというのです。プレスリリースから以下に引いてみます。

『S&P』側が韓国の格差問題について質問したのに対し、崔権限代行は次のように回答した。

現政権発足後、歳出構造改革と社会安全網の強化に政策を集中した結果、所得分配指標が継続的に改善してきた。しかし、資産格差の拡大と階層間移動の機会の減少により、国民の体感格差は大きく改善されていない。

これに対し、単なる財政支出ではなく、

若者の経済活動参加率向上
教育機会の拡大
資産形成の基盤拡充
労働・年金改革
etc.

を通じて社会的流動性(ソーシャル・モビリティー)を向上させるための構造的解決策を推進していると説明した。

所得5分位倍率(高所得層の所得/低所得層の所得)
2011年:8.25 ⇒ 2023年:5.72(格差縮小)

中間層の割合
2011年:55.1% ⇒ 2023年:63.0%(増加)

純資産ジニ係数(格差の指標)
2016年:0.586 ⇒ 2024年:0.612(格差拡大)

ご注目いただきたいのは最後の純資産ジニ係数です。これは「資産(不動産・株式・貯蓄など)の格差が大きいことを示しています。

一般的に知られる「所得ジニ係数」ではない点に注意してください。

韓国の純資産ジニ係数は、

2016年:0.586
2018年:0.588
2020年:0.602
2022年:0.606
2024年:0.612

と大きくなり、2024年は最大に膨らみました。つまり、韓国では保有する純資産については格差が拡大しているのです。

崔相穆(チェ・サンモク)大統領代行は中間層が拡大している、所得格差は縮小していると述べているのすが、(資産を)持つ者、持たざる者の格差はむしろ拡大しているものと考えられます。

(吉田ハンチング@dcp)

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