2020年12月30日、韓国メディア『亜州経済(韓国版)』に面白い記事が出ました。『韓国銀行』の調査局は『アジア開発銀行』(Asian Development Bank:略称「ADB」)の公表データを基に、
2008-2009年「韓国通貨危機」以降、
グローバル分業システムの変化が
韓国の輸出を減少させる要因になっている
グローバル分業システムの変化が
韓国の輸出を減少させる要因になっている
としました。先からご紹介しているとおり、韓国に最も重要な輸出は2018年から右肩を下げ続けています。『韓国銀行』は輸出の増加率に注目し、以下のようなデータを提示しています。
輸出増加率の年平均
2001~2011年:10.4%
2012~2019年:1.9%
2001~2011年:10.4%
2012~2019年:1.9%
このデータは注目に値します。明らかに韓国の輸出は増加しなくなっているのです。
さらに、グローバル分業システムへの参加とその変化は、韓国通貨危機前には「輸出増加率に年平均+1.2%」で寄与したが、危機後にはむしろ「-0.3%」でマイナスの効果を生んでいるとしています。
グローバル分業システムへの変化がなぜマイナスになるのかといえば、まず「完成品の輸出割合が減少し、中間財の割合が増える」という点が指摘されています。
世界的に分業を行うシステムの中に組み込まれると、自国に求められるのが得意ではない分野であるということが起こります。韓国には中間財の供給という役割が回ってくるようになり、これまでの完成品輸出が減少しているというのです。
ご存じのように韓国はこれまで、自動車、造船など完成品ばかりを輸出してきました。そのため、それらが求められなくなると、必然的に輸出は減っていくというわけです。
これは非常に面白い視点です。しかし、結論は変わりません。韓国の夏はもう終わったのです。
⇒参照・引用元:『亜州経済(韓国版)』「韓国銀行『金融危機以降GVC変化、韓輸出にマイナス』」
(吉田ハンチング@dcp)