韓国の自営業者が借金まみれになっている――という話です。
2025年01月29日、信用評価会社『NICE評価情報』(NICE Information Service Co., Ltd.:1986年設立)のデータをまとめると以下のようになります。
2024年第3四半期時点で336万9,000人の自営業者の貸付総額は1,123兆8,000億ウォンに達しました。同社評価データで自営業者向け貸付が1,120兆ウォンを超えたのは初めてのことで、過去最高となりました。
特に注目しなければならないのは、3カ月以上の延滞を抱える「返済リスクの高い債務者」が「14万6,000人」に達したことです。
前年同期、つまり2023年第3四半期の「10万3,000人」と比べて41.7%も増加しました。
これらのリスクの高い「3カ月以上の延滞を抱える債務者」が幾らの債務を抱えているかというと「29兆7,000億ウォン」です。前年同期の「21兆6,000億ウォン」から「37.5%」増加しました。
さらに、どん底景気が続く中、借金を別の借金で返済する「限界債務者(多重債務者)」も急速に増えています。
3つ以上の金融機関から融資を受けている「多重債務者」は、2024年第3四半期時点で172万人になりました。
なんと全体の貸付利用者の「51.1%」を占めています。
つまり、半分以上が多重債務者なのです。
多重債務者の中でも債務を延滞している人数は9万7,000人で、対前年同期比で「29.3%」の増加。これらの人が抱える債務総額は「23兆5,000億ウォン」、対前年同期比で「29.8%」の増加となっています。
これは惨状といっていいです。
どん底景気の中、「チキン or ダイ」といわれる個人事業者が債務を抱えて首が回らなくなっている現状が透けて見えます。
要するに、韓国の自営業は完全に借金頼みの状態になっており、しかもその借金を新たな借金で補填している悪循環に陥っています。
これはまさに「静かなる崩壊」といえるでしょう。
廃業・倒産が続くなら、失業率の上昇 ⇒ 消費の低迷 ⇒ 経済の悪化という負のスパイラルに入る可能性が高いです(もう陥っているでしょうが)。
政府にお金がないのですが、これは政府がお金を回さないと経済全体が危機的状況に陥るかもしれません。
(吉田ハンチング@dcp)