韓国は国債の発行額が増えています。これは国税収入が足りない中、支出が増え、足りない分をまかなうために国債の発行を増やしているためです。
韓国政府の国債発行額の推移を直近2025年07月時点まで見ると以下のようになります。

信じられないかもしれませんが、朴槿恵(パク・クネ)大統領の最後の年――2017年には「国債発行残高:627.4兆ウォン」しかありませんでした。
これを文在寅が「1,000兆ウォン」超えまで拡張しました。
「なぜ政府支出が対GDP比40%以下と決まっているんだ」と企画財政部スタッフを一喝し、歯止めを一蹴したからです。
もし韓国政府が(政府負債が原因で)ドボン騒動を起こすことがあったとしたら、その原因の大本は文在寅にあります。文在寅は間違いなく「借金王」です。
なにせ任期中に政府負債を約1.6倍に増やしたのですから。
アンポンタンというのはこれほどの破壊力を持つのです。
もちろん政府が負債を増やすのは悪いことばかりではありません。民間でお金が回らないときは、政府が支出を増やしてお金を回さないとなりません。何でも程度の問題です。
文在寅が行ったのは明らかに異常です。
韓国メディアでは、政府負債の対GDP比率を「いまだ50%未満だが」と書くことがありますが、大ウソです。
なぜなら政府が公表している対GDP比率は、「D1」についてのもので、国際比較を行うなら「D2」で行うべきだからです。
※『IMF』『OECD』などは「D2」で比較します。
以下は韓国の企画財政部が毎月刊行している「月刊財政動向」の09月号から引用したものですが、2023年時点ですでに政府負債は「対GDP比:50.5%」に達しています。

↑黄色のマーカーが「D2」基準による2023年の政府負債1,217.3兆ウォン。対GDP比は「50.5%」です。
国債の利払いが急増する!
国債の発行額が増加すると、当然ですが「利払い」が増加します。
国債自体はロールオーバー(借り換え)で凌げるかもしれませんが、金額自体が増えていくと利払い金額も増加して、政府支出に占める「利払い金額」が増加。
当然のことですが、mandatory spending(義務支出)が増加した分、discretionary spending(裁量支出)が減少することになります。
裁量支出……毎年度の予算編成で、政府と議会が裁量的に配分額を決定できる支出。必ずしも法的義務があるわけではなく、政策目的に応じて増減できる支出を指します。
例えばアメリカ合衆国では、義務支出(社会保障・医療など)が歳出の約2/3を占め、これに国債の利払い(Net利払い)を加えると、約3/4となり、裁量支出はおよそ1/4強しか残りません。
韓国大統領に成りおおせた李在明(イ・ジェミョン)さんが進めてるのは、まさにこれです。
例えば、満7歳以下にのみ支給していた一人当たり月額10万ウォンの児童手当を、満8歳まで支給に拡大しました。これを毎年1歳ずつ支給を拡大することを目論んでいます。
どうなるかというと、義務支出が拡大していきます。李在明(イ・ジェミョン)さんが行う政策というのは、共産主義国家の方向で、政府の財政における自由度を奪っていっています。
では利払い金額はどこまで膨らむでしょうか?
ユン・ヨンソク『国民の力』議員が企画財政部から受け取った資料によれば、国債の利払い金額は――2029年には「44兆7,000億ウォン」まで拡大する――と予測されています。
4年間で「12兆7,000億ウォン」、約39.7%も増加するのです。
利払いが4割増というのは尋常ではありません。
※この場合のは国債は国庫債、外国為替平衡基金債券、住宅都市基金債券など政府が発行したすべての債券です。
2026年度の「R&D予算」は35兆ウォンですし、産業・中小企業予算は「32兆ウォン」しかないのに、4年後には国債の利払い金額がそれを上回ることになるのです。
国債の発行残高が減少する可能性はほとんどありません。李在明(イ・ジェミョン)さんの政府はこれからも支出を拡大するだろうからです。
おなじみの「問い」を再度提示します。韓国政府は持続可能でしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)






