2025年10月09日、中国の商務部が「中国産レアアースを用いた製品への規制」を公表し、アメリカ合衆国との対立が激化方向に進みました。
韓国はこの中国によるレアアース規制に大きな影響を与えます。
この規制に対抗するための一つの方法として「リサイクル」という手があります。「都市鉱山」という言葉がありますが、一度製品になったものから利用可能な資源を回収するのです。
韓国のような資源が乏しい国こそ、リサイクル技術が発達すべきだなのですが――まったくそうはなっていません。

↑中国にはこのような大量にEVが遺棄(あるいは放置)されたEV墓場があちこちにあります。さすがに韓国にはこのような墓場は見つかっておりません。
電気自動車に搭載された二次電池はリサイクルの対象となりそうなものですが、韓国ではほとんどが放置されています。
韓国メディア『ソウル経済』が「回収済み廃バッテリーの80%、再使用点検も受けられず放置」という記事を出しています。
同記事から一部を以下の引いてみます。
(前略)
13日、気候環境エネルギー部が国会気候エネルギー環境労働委員会所属の『共に民主党』のキム・テソン議員室に提出した資料によると、電気自動車に使用された廃バッテリーを回収する「未来廃資源拠点回収センター」は、今年08月時点で電気自動車の廃バッテリー2,258個を回収し、現在1,205個を保管している。残りの1,053個は売却または研究施設などに引き渡した。
現在保管中の廃バッテリーのうち966個(80.1%)は、再使用の可否を確認するための性能評価すら行っていない。
政府が性能評価を実施できる車種は、全36車種のうち17車種(47%)にとどまり、過半数については評価そのものが不可能である。
(中略)
拠点回収センターに保管中の廃バッテリーからは、火災や漏電などの安全事故の懸念も提起されている。
センターを運営する韓国環境公団は、昨年12月の監査で「長期保管に伴う安全上の問題が懸念される」との指摘を受けたが、特段の措置を取らなかった。
金議員は、「全国のセンターで1日に性能評価できる量はわずか5個にすぎない」と述べた上で、「設備を拡充し、現実的な評価基準を設定しなければ、廃バッテリーの円滑な活用は難しい」と指摘した。
廃バッテリーの回収:2,258個
⇒1,205個を保管
⇒1,053個は売却または研究施設などに引き渡し
――というのが現状で、保管中の廃バッテリーのうち「約80.2%」(966個)は放置されているというのです。
なぜ放置しているかというと「評価」ができないのが原因のひとつです。
「海外の電気自動車メーカーは技術流出を懸念してバッテリー仕様情報を提供しておらず、評価が難しい状況にある」――と説明しています。
具体的には、
残存容量(SoH:State of Healthの略)
どれだけ充電できるか。新品と比べてどのくらい能力が残っているか(例:80%など)
充放電性能
電気の出し入れが正常に行えるかどうか
内部抵抗
バッテリー内部の電気的な抵抗値。劣化の指標になります
セルごとのばらつき
バッテリーパック内のセル間で性能差が出ていないか
外観検査
変形・膨張・腐食・損傷などの有無
安全性の確認
発火・漏電・短絡などのリスクがないか
――の「評価」です。これらが正確に分からないと、
再使用(Second Life):充電スタンドや家庭用蓄電池などへの再利用
一部再生・再組立:良好なセルのみを集めて再構成
素材リサイクル:ニッケル、コバルト、リチウムなどの金属回収へ
廃棄処分:再利用不可で安全にも問題がある場合
――という「どのように処理するのか」が決められず、リサイクルが進行しないのです。韓国はリサイクルにもっと注力すべきです。
(吉田ハンチング@dcp)






