韓国政府は「ウォン安阻止」のために、国民年金公団の外貨資産を使うつもりじゃあるまいな――という話の続きです。
2025年12月01日、韓国企画財政部の具潤哲(ク・ユンチョル)部長(長官)は「国際金融政策諮問委員会」
第1回会議を開催しました。
この「国際金融政策諮問委員会」は、国際金融および外為政策の運営に関して、各界の専門家からの意見を集約するに設立された会議体で、12人以内の民間委員と委員で構成する――となっています。
民間委員10人は以下のメンバーと決定されており、
パク・ソニョン(東国大学校 教授)
シン・インソク(中央大学校 教授)
チェ・サンヨプ(延世大学校 教授)
チェ・ジェウォン(ソウル大学校 教授)
キム・ミル(韓国開発研究院 国債研究チーム長)
ユン・サンハ(対外経済政策研究院 国際マクロ金融室長)
イ・ボミ(韓国金融研究院 資本市場研究室長)
クォン・アミン(NH投資証券 責任研究員)
ソ・ウンジョン(BNPパリバ ソウル支店 金融市場本部 代表)
チョ・ボムジュン(ハナ銀行資本市場グループ長)
この10人に企画財政部の「国際経済管理官」と「国際金融局長」の2人が加わります。
韓国政府が示した4大課題とは?
企画財政部は、
1.輸出企業の両替と政策資金の連係
2.証券会社など金融会社の海外投資に関する投資家説明および保護の適切性
3.外為当局と国民年金の為替スワップ契約の延長
4.国民年金の新フレームワーク準備
――を「4大課題」と提示しました。
「1」は、韓国の輸出企業に「ドル売り・ウォン買い」を行わせて、ウォン安に対抗しようという話です。
これは『韓国銀行』が示した「韓国企業の外貨保有額」は、第3四半期の月平均で「918.8億ドル」に達しています。企業からすれば、対米投資もあり、ウォンに換えるよりはドルで保有しようと――と考えるのは自然ですが、これを吐き出せようと考えているのです。
※また、これからもウォン安が進行すると考えるのであれば「ドルのママで持っておこう」とするのは自然な動きです。
「2」は、例のELS問題で「元本をすった投資家に補償を行え」という前代未聞の指示を出したのと符合します。資本主義の国とはとても思えない、ポピュリズムの極みたいな話です。
「3」は国民年金に市場で「ウォン売り・ドル買いを行わせない」という施策で、このために『韓国銀行』は国民年期公団と為替スワップ契約を結んでいます。ウォン安を進行させないという当局の意思の現れに他なりませんが、ここで課題に挙がっているということは、間違いなく契約を延長するつもりです。
「4」は、問題の「新フレームワーク」です。
まな板の上にあがっているのは、
●「戦略的為替ヘッジ」ルールの全面的見直し
●「常時的為替ヘッジ」の導入
●「戦術的為替ヘッジ」の拡大
●「ドル建て債券発行」による外貨調達
――とされています。
⇒参照・引用元:『国民年金基金運用本部』公式サイト「외환관리」
1~3は見えますが、4で具体的に何をするのかはまだ見えません。
何が出るかは注目する必要があります。
いずれにしても「ウォン安止めるのに必死だな」というメッセージは感じることができるでしょう。
12人も集めて何をするのか知りませんが、「国際金融政策諮問委員会」が「船頭多くして船山に登る」にならないといいですね。
はっきりいえば、こんな組織はいりません。尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領時代にあった「F4」のミーティングに年金公団のTopが入れば済む話です。
↑安倍晋三首相が「タウンミーティング的にやるのかと思って」と発言し、後ろの麻生太郎閣下が爆笑しているシーンが捉えられています。
「市井の皆さんの意見も聞きました」的なアリバイ作りのためにやっているようにしか見えません。安倍晋三首相の「民進党だからタウンミーティング的にやるのかと思って」という傑作な発言がありますが、まさにコレです。
(吉田ハンチング@dcp)







