韓国経済に「四月危機」がささやかれていますので、ことさらに外貨準備の増減が注目されます。2020年04月03日、韓国銀行から2020年03月末時点での韓国の外貨準備高が公表されました。以下のようになっています。
外貨準備高:4,002億ドル(前月比:約90億ドル減少)
<<内訳>>
⇒Securities 3,576億ドル(約38兆6,226億円)
(証券類)
前月比:136億ドル減少
⇒Deposits 317億ドル(約3兆4,227億円)
(預金)
前月比:46億ドル増加
⇒SDRs 33億ドル(約3,563億円)
(IMFのSDR(特別引出権)
前月比:変わらず
⇒IMF position 28億ドル(約3,023億円)
(IMFリザーブポジション)
前月比:変わらず
⇒Gold 48億ドル(約5,182億円)
(金)
前月比:変わらず
※円換算は2020年04月03日「1ドル=107.97円」のレートで算出
⇒データ引用元:『韓国銀行』「Korea’s Official Foreign Reserves(As of the end of March 2020)」
http://www.bok.or.kr/viewer/skin/doc.html?fn=202004020323080610.hwp&rs=/webview/result/E0000634/202004
03月末時点ではSecurities(証券類)が前月比で136億ドル減少。代わって現金たるDeposits(預金)が46億ドル増え、この差し引きで韓国の外貨準備は02月末時点から約90億ドルの減少です。
ちなみに、Securities(証券類)が3,574億ドルというのは、2018年10月末以来の低水準(この時が同額の「3,574億ドル」)で、Securities(証券類)の減り方が異常です。直近4カ月を見ると以下のようになります。
2019年12月末:3,850億ドル 前月比:85億ドル増加
2020年01月末:3,784億ドル 前月比:66億ドル減少
2020年02月末:3,712億ドル 前月比:72億ドル減少
2020年03月末:3,576億ドル 前月比:136億ドル減少
12月末の3,850億ドルから03月末の3,576億ドルまで毎月減少し、計274億ドルも減少しているのです。
それに比べて同期間にDeposits(預金)は増加しています。現金たるDeposits(預金)が300億ドルを超えるというのも異例のこと。直近5年では例がありません。
同様に2019年12月末から2020年03月末までの増減を見てみます。
2019年12月末:129億ドル 前月比:73億ドル減少
2020年01月末:203億ドル 前月比:74億ドル増加
2020年02月末:271億ドル 前月比:68億ドル増加
2020年03月末:317億ドル 前月比:46億ドル増加
12月末の129億ドルから03月末の317億ドルまで計188億ドルの増加です。
何かの必要に駆られて保有するSecurities(証券類)を現金に換え続けた結果がこれではないでしょうか。
気になるのは、減少したSecurities(証券類)136億ドルのうちアメリカ合衆国公債がどのくらい減ったかです。その答えは、40日後の合衆国財務省の発表で分かります(以下の記事は2020年01月末時点での答え合わせ)。
しかし、まずは11日後に判明する02月末時点での合衆国公債の増減です。数字が分かり次第ご紹介するようにいたします。
重要な追記
なぜ外貨準備がこれほど減ったのかについて韓国銀行の関係者が言及した記事が出ましたので、それについて以下の記事にまとめました。案の定でした。
本記事と併せてお読み頂ければ幸いです。
(柏ケミカル@dcp)