2020年04月07日、韓国メディア『朝鮮日報(日本語版)』に「韓国最大の太陽光発電、重要部品は全て中国製」という記事が出ました。
記事の主旨は、「太陽光発電所『ソラシド太陽光団地』(出力98メガワット)に設置された太陽電池セルは全て中国製だった」というものです。
文在寅政権が進めた「脱原発政策」は、再生可能エネルギーによる発電割合を高めようとして92兆ウォンもの投資を行ったけれども、結局は中国企業との価格競争に勝てず、中国製の太陽電池を買うハメに陥った――のです。
チャンチャンと落ちがついた話なのですが、記事後段に見逃せない部分があるので以下に引用します。
一方、世界一の競争力を持つ韓国の原発産業は脱原発政策の直撃を受けている。原発の主要設備を生産する斗山重工業は新ハンウル原発3、4号機を含む新規原発6基の建設が白紙化されたことで、7兆-8兆ウォンの売り上げが消え、グループ全体が危機を迎えている。中小の下請け業者も相次いで廃業の危機に追い込まれている。
※赤アンダーラインは筆者による(以下同)
韓国メディアは「韓国の原発産業を世界一の競争力を持つ」と認識しているようですが、これこそ寝言です。
下記の記事でご紹介したように、韓国の原発産業の輸出は「安全性に問題」「施工不良」「密約付き安値」という三拍子に支えられたもので、これを「世界一の競争力」と誤って認識しているのです。
上記記事でもご紹介しましたが、日本人でなくても「大丈夫なのか?」と思わされるような原発で、原発コンサルティング専門家ポール・ドーフマンさんが『エコロジスト』への寄稿文の中で述べた言葉を再度引用しておきます。
「韓国がUAEに建設している低価格型バラカ原発の設計図では二重格納建物が抜けている」
「欧州では必須のこの装置がないというのは、エアバッグと安全ベルトなしに車を運転するのと変わらない」
さらに同記事内では、
仁川大の孫良薫(ソン・ヤンフン)教授は「脱原発政策で世界最高の競争力を備えた韓国の原発産業は崩壊し、政府の支援が集中する太陽電池市場では中国企業が恩恵を受けるというあきれた事態が起きている」と指摘した。
孫教授という方が韓国の原発を「世界最高の競争力を備えた」と礼賛しています。あきれた放言という他ありません。
ただし、文大統領の脱原発政策で韓国のあきれた「原発産業」が崩壊しつつあるのは事実です。この件については別記事でご紹介するようにいたします。
(柏ケミカル@dcp)