2020年04月30日『ソウル経済』の「輸出ショックは始まりにすぎない…『双子の赤字』の恐怖迫る」という記事が出ました。
「双子の赤字」は「経常収支の赤字」と「財政の赤字」を指しますが、古参の韓国ウォッチャーにとっては懐かしい言葉です。
2008-2009年の「韓国通貨危機」を迎える前段階、2007年時点で、現在経済評論家として活躍していらっしゃる三橋貴明先生がその著書※1の中で「韓国経済が三つ子の赤字※2に陥る可能性」を指摘。
2007年段階で「経常収支の赤字」「財政赤字」に陥っており、まれなことではあるが韓国の場合これに「資本収支※3の赤字」が加わるかもしれず、韓国経済に「1997年のアジア通貨危機」のような困難が迫っていると警告されました。
その後、三橋先生の警告どおり「韓国通貨危機」になったわけです。
2008年にリーマンショックのせいで危機が訪れたと考えがちですが、実は韓国はその前年からおっかしなことになっていたのです。
04月30日の『ソウル経済』の記事から一部を以下に引用します
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)のパンデミック(世界大流行)が「輸出ショック」を引き起こし、延々98カ月間続いた貿易黒字基調が割れる状況にまで至った。
輸出減少傾向が続く場合、国内製造業の生産稼働にダメージを与え、さらに、外国の財貨・サービスを購入した結果である経常収支まで赤字に陥る悪循環を発生させ得る。
経常収支赤字と財政赤字が同時に発生する「双子の赤字」が現実になるという懸念さえ出てくるだろう。
29日の企画財政部の発表によると、今月に入って20日までに、貿易収支は-35億ドルの赤字を記録したことが分かった。
同期間に217億ドルを記録した輸出が、輸入(252億ドル)よりも少なかったからだ。
これにより、4月全体の貿易収支は、2012年1月以降、99カ月ぶりに赤字を記録する確率が非常に高い。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「輸出ショックは始まりにすぎない…『双子の赤字』の恐怖迫る」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
実際に04月の国際収支統計がどうなったのかは、間もなく公表されるデータで分かります。あと10日ほどでしょうから、結果が出たらまたご紹介するようにいたします。
ついに「状況開始」かもしれません。
※1『本当はヤバイ!韓国経済 迫り来る通貨危機再来の恐怖』(彩図社,2007年07月03日初版発行)
※2・※3同書の中で三橋先生が「三つ子の赤字」とされているのは「経常収支」「財政赤字」「資本収支」の3つの赤字です。ただし、現在では「国際収支統計」の記述は「第六版」(BMP6)準拠となっています。「資本収支」は当時適用されていた「第五版」(BMP5)準拠の記述です。
(柏ケミカル@dcp)