新型コロナウイルス騒動で、韓国は「流動性の危機」に瀕しています。要はお金が回らない。これに尽きます。支援を「何兆ウォン」などという惹句が韓国メディアを賑わせていますが、これらはみんな借金なわけです。
今を凌ぐことができれば後で返却しますから、なんとかお金を回してくださいという話なのです。
ここにきて「さすがに借金が過ぎるのでは?」と背筋が寒くなったようで、2020年05月05日、韓国メディア『中央日報(日本語版)』にも「いつのまにか4540兆ウォン…韓国の政府・家計・企業『負債急増』」という記事が出ました(元は『韓国経済』の記事です)。
(前略)
国際決済銀行(BIS)が最近出した2019年末基準の国別負債資料でもこうした点が明確に表れる。昨年末基準で政府、家計、企業の3大部門を合わせた韓国の総負債(金融機関除く)は4,540兆ウォン(約400兆円)にのぼる。
部門別の負債規模をみると、非営利機関を含む政府が759兆ウォン、家計が1,827兆ウォン、企業が1,954兆ウォン。
(中略)
さらに大きな問題は総負債の増加ペースだ。
韓国の総負債は昨年だけで290兆ウォン増えた。2018年末のGDP比224%から昨年末には237%に上昇した。
これはシンガポール、チリ、香港に次いで世界で4番目に速い。中国(9%ポイント)、米国・日本(5%ポイント)英国(1%ポイント)など主要国と比較して増加幅がはるかに大きい。
(後略)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
要は、韓国では「政府」も「企業」も「家計」も借金まみれ、ということですが、このようなことは昨年、いや昨年以前からラスボス・BIS(Bank for International Settlementsの略:国際決済銀行)によって警告されてきた事実ばかりです。
もちろん「ドボンになるよ」なんて直接言わず、リポートの主旨は「危ないよ」です。例えば、BISが「韓国の民間債務はすでにボーダーを超えて危険だ」という事実を指摘したことが、2019年末に以下のような記事にもなっています。
⇒参照・引用元:『Pulse』「韓国の民間債務の水準は、企業債務の急増で通常の範囲から外れています」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
https://pulsenews.co.kr/view.php?year=2019&no=1095539
改めて指摘するのもなんですが、アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と「通貨スワップ」(韓国の呼称です:FEBの呼称では「ドル流動性スワップ」)を締結できた!なんて喜んでいましたけれども、これも借金ですからね。で、よせばいいのに毎週ドルを調達して「ドル建ての借金」を積み上げているのです。
というわけで、確かに新型コロナウイルス騒動で、借金が増える速度が加速していますが、コロナ前にすでにダメっぽくなっていたのです。新型コロナウイルス騒動によって、これが極めてダメっぽくなったわけです。
(柏ケミカル@dcp)