2020年04月の韓国の貿易収支が赤字になったことで、韓国メディアでも企業の業績に注目した記事が増えています。
『朝鮮日報』には「資産5兆ウォン以上のグループは昨年に純利益半減…半導体・石油化学不振のせい」という記事が出ました。
この記事は、「コロナ前」の2019年の段階ですでに大企業の利益獲得能力が変調を来していたことを指摘しています。冒頭部分を引用します。
資産5兆ウォン以上の企業集団の昨年の純利益は、前年に比べて「半分」になっていたことが分かった。
昨年はコロナ事態が発生する前なのに、国内主力業種である半導体・石油化学などの不振で企業業績が悪化したものである。
⇒参照・データ引用元:『朝鮮日報』「資産5兆ウォン以上のグループは昨年に純利益半減…半導体・石油化学不振のせい」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
同記事によれば、「総額資産5兆ウォン以上」の64の企業集団の「2019年の経営実績」は以下のとおりです。
総売上高:1,401兆6,000億ウォン
⇒前年比で「20兆4,000億ウォン」(1.5%減少)当期純利益:48兆ウォン
⇒前年比で「44兆5,000億ウォン」(48.1%減少)
売上はほぼ減っていないのに、純利益は「半減」です。
個別に見ると、以下のとおり「半導体・石油化学」に注力する企業グループの純利益減少が目立つとしています。
サムスングループ:前年比で「19兆7,000億ウォン減少」
SKグループ:前年比で「14兆7,000億ウォン減少」
LGグループ:前年比で「3兆5,000億ウォン減少」
というわけで、2019年の段階ですでに韓国企業の利益は大きく減少しており、新型コロナウイルス騒動がなければ早晩このことが問題になったと思われます。
今回の新型コロナウイルス騒動でどの業種もドボン寸前で目立たなくなっていますが、アフターコロナでも、韓国企業の「利益獲得能力」がどこまで回復するのかについては疑問です。つまり、「コロナ後」でも韓国企業の業績に過度な期待をすべきではない、のです。
(柏ケミカル@dcp)