やりました! 『韓国銀行』は、アメリカ合衆国のFED(Federal Reserve Systemの略称:連邦準備制度)と締結したスワップライン※1を利用して調達した「ドル」、その全額を返済し終わりました。
ある意味「ちぇっ。つまんないの!」な結果ですが、しかし、これで「返せない」なんて話になった日には韓国の評判は世界的に地に墜ちます。
それこそ通貨「ウォン」は暴落するでしょうし、国債や韓国企業の債券も買ってもらえず……ちょっと見てみたかったような気もしますが、そのような事態を避けるためなら、どんな手を使ってでも返済用のドルを集めようってものです。
『韓国銀行』の完済をFEDのデータで確認!
最後の定点観測になるかもしれませんが、『NY連邦準備銀行』が公開したドル流動性スワップの取引情報を確認しました。
まず、「U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results」(ドル流動性スワップ-運用結果)は以下のとおりです。
『韓国銀行』は05月08日決済の「13億2,900万ドル」の調達以降、ドル流動性スワップを利用していませんので、新しい取引はありません。
ただし、先にご紹介したとおり、FRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)はドル流動性スワップの契約期限を2021年03月31日まで延長しました。そのため、この先『韓国銀行』がまたドル流動性スワップを利用する可能性はあります。
FRBが期限を延長したところにある種の「意図」を感じるのは、気の回し過ぎでしょうか。
次に「U.S. Dollar Liquidity Swap-Amounts Outstanding」(ドル流動性スワップ-未払い金額)です。
ご覧ください。「Bank of Korea」(韓国銀行)の「07/30/2020」(2020年07月30日)の「Amounts Outstanding」(未返済額)がついに「0」になりました。
ドル流動性スワップを利用して調達したドルを完済したのです。
借りたものを返すのは当然のことですが、『韓国銀行』にとってかなりの重荷だったことは想像に難くありません。
なにせ07月の返済総額は(利子も含めて)「108億7,723万1,523ドル」(約1兆1,477億6,547万296円)※2にもなるのです。しかも現金です(当たり前ですけど)。
市中銀行が『韓国銀行』に期日までにきちんと返済できなかった場合には、当然『韓国銀行』が建て替えているはずですし(笑)。完済したのはいいが、またドル不足になっちゃった、みたいなことになってなければいいですね。
※1韓国メディアは「通貨スワップ」、時に「通貨スワップ協定」と呼称しますが、紛らわしいのでMoney1ではFRB(Federal Reserve Boardの略:連邦準備制度理事会)に従って「スワップライン」「ドル流動性スワップ」と記載します。本稿のタイトルだけはアンカーが韓国の表記に合せて「通貨スワップ」としています。
※2ドル円の換算は2020年07月31日の「1ドル=105.52円」を用いました
(柏ケミカル@dcp)