「尹大統領がペロシ議長と会わなかったのは致命的なミス」という指摘

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アメリカ合衆国が施行した「インフレ削減法」について韓国がドタバタしています。

このままだと韓国産の電気自動車に補助金が出なくなり(正確には購入者が税額控除が受けられなくなり)、売れなくなるかもしれないからです。

韓国企業がバイデン大統領に多くの対米投資を約束したにもかかわらず、韓国産自動車を締め出すとは「後頭部を殴られた」――と韓国の皆さんは怒っているのです。

この韓国の怒りに対して、『Bloomberg』に興味深い記事が出ています。以下に記事から一部を引用します。

韓国は、合衆国製の電気自動車とバッテリーを優遇する合衆国の新しい規則を「裏切り」と見なしている、とソウルの高官は述べた。

この論争は、先月ジョー・バイデン大統領が署名した「インフレ削減法」の条項に端を発しており、これには北米で製造された電気自動車の購入に対して最大7,500ドルの税額控除が含まれています。

これは、合衆国で稼働中のEV工場を持たない『現代自動車』や『起亜自動車』などの韓国の主要ブランドにとって不利になる可能性があります。

(中略)

合衆国はこの法案について韓国と協議することに合意した、と韓国の通商省は木曜日に述べた。

韓国の安徳根(アン・ドククン)首席貿易交渉官は、09月08日にロサンゼルスで始まる予定のIPEF会議に出席する前に、来週初めにキャサリン・タイ通商代表と会談する予定です。

ホセ・W・フェルナンデス経済成長・エネルギー・環境担当国務次官は声明で、「韓国の懸念を真剣に受け止め、真剣な協議の準備を整えている」と述べた。「国内の規則制定プロセスを開始するため、今後数か月以内に詳細をお知らせします。」

尹氏が先月韓国を訪問した際、ナンシー・ペロシ米下院議長と直接会談しなかったことは「致命的な過ち」を犯したと、事情に詳しい別の関係者は語った。

そのような会談は、法案の可決に先立って変更を求める決定的な機会を提供した可能性があると、その人物は述べた。
(後略)

⇒参照・引用元:『Bloomberg』「South Korea Sees ‘Betrayal’ in Biden’s Electric Vehicle Push」

同記事は、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領がペロシ下院議長が会わなかったのは「致命的な失敗」と指摘しています。

もし、そのような会談があれば「インフレ削減法」に「韓国企業への配慮を依頼することができたのではないか」と。

確かに、このとき話ができていれば、いささかでも方向性を曲げることができたかもしれません。「可能性」という意味では、千載一遇のチャンスを逃したのかも……ではあります。

しかしながら、これはいかにも後知恵な物言いです。

あのとき、韓国外交部が合衆国の「インフレ削減法」にまで頭が回っていたでしょうか。韓国は、中国・王毅外相と朴振(パク・ジン)外交部長官の会談を控えていたのです。

仮に尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領とペロシ下院議長が会ったとしても、インフレ削減法が話題に上ったかは甚だ疑問です。

ともあれ、『Bloomberg』の記事でとりあげられるほど、韓国政府が合衆国に「後頭部を殴られた」と働きかけていることだけが確かです。

来週から始まる韓国政府の巻き返しがどのくらい奏功するのかにご注目ください。

(吉田ハンチング@dcp)

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