文在寅「2033年頃に姿を表わす3万トン級の韓国型軽空母は……」座礁しました

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前文在寅政権で推進されてきた「韓国型軽空母」を装備する事業が事実上頓挫した――と韓国メディアが報じています。

すでに日本語メディアでも報じられているため、読者の皆さまの多くがご存じでしょう。


↑韓国海軍のホームページでは上掲のような軽空母の説明図が掲載されています/スクリーンショット

本来韓国には空母など不要なのですが、前文在寅政権は軽空母にいたくご執心でした。

その割には2021年度の予算は1,000万ウォンしかつけませんでした。

しかし、翌2022年度予算には72億ウォンを設計予算として認めました。

Money1でも先にご紹介したことがありますが、この72億ウォンはすったもんだの揚げ句に計上されたものです。

そもそも国会審査で承認されなかったものを(72億ウォンから5億ウォンに削られた)、大統領府が動いて復活させたのです。

いかに文前大統領が「韓国版軽空母」に執着していたか、が分かります。

2021年03月には文前大統領は(よせばいいのに)「2033年ごろに姿を表わす3万トン級軽空母世界最高水準の韓国造船技術で建造されるだろう」と述べました。

ところが……2022年08月30日に公表された「2023年度の国防予算案」には、韓国型軽空母の影も形もなかったのです。1ウォンの予算も割かれていませんでした。

韓国国防部は正しい方向に舵を切った

以下は韓国の国防部が出したプレスリリースです。

2023年の国防予算、前年比4.6%増加した57.1兆ウォン
-北朝鮮の核・ミサイル対応能力の強化および未来世代の兵営環境の造成-

□政府は2023年度国防予算を2022年本予算比4.6%増57兆1,268億ウォンに編成し、09月02日国会に提出する予定である。

□政府は最近の厳しい安全保障状況を考慮し、高強度健全財政基調にもかかわらず、国防分野に財源を重点配分した。

政府総支出増加率を8.9%から5.2%に大幅に削減する状況でも、国防予算増加率は3.4%から4.6%に拡大編成した。

○国防予算増加率4.6%は、地方交付税教育交付金等を除外した中央政府の12支出分野中、外交に続いて2番目に高い水準である。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国 国防部』公式サイト

国防部が誇らしく語っているように、尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は、(前文政権が野放図でアンポンタンに拡大した)財政を引き締めようとしているのですが、その中でも異例に国防予算は増額しています。

増額したといっても、無駄なものである軽空母などには予算を割きませんでした。

北朝鮮の核・ミサイルへの対処などに重点を置き、公約でもあった兵士の給料の増額も盛り込んでいます。

韓国ウォッチャーとしては、無駄以外の何物でもない韓国型軽空母とやらの完成形、また必ず起こったであろう数々のトラブルや欠陥を見られないのは誠に残念ですが――尹錫悦(ユン・ソギョル)政権は正しい方向に舵を切ったといえます。

軽空母建造の芽が完全に失われたわけではない

ただし、韓国型軽空母の芽がこれで完全になくなったかというと、一応(言い訳かもしれませんが)「そうではない」としています。

『韓国日報』が防衛事業庁の関係者からコメントを取っていますので、以下に記事の一部を引用してみます。

(前略)
2023年の国防予算で軽空母予算が全く反映されず、事業は事実上、推進力を失った模様だ。

先月、空軍が地上離着陸のみ可能なF-35A戦闘機追加購入を確定し、軽空母事業が座礁するのではないかという懸念も提起されたことがある。

F-35A購入後、軽空母に搭載する垂直離着陸機F-35Bを追加購入するのは事実上難しいからだ。

防衛事業庁の関係者は「関連予算が反映されなかったからといって、軽空母事業の中断を意味するわけではない」と一線を引いた。

防衛事業庁側は「軽空母の戦略的効用性、国内開発艦載機搭載必要性など多様な意見がある状態で基本設計を着手すると問題が発生する恐れがある」とし「垂直離着陸型戦闘機の所要検証、艦搭載用戦闘機の国内開発の可能性」などよく検討した後、事業推進方向を決定する予定だ」と説明した。
(後略)

⇒参照・引用元:『韓国日報』「국방예산 5% 늘었지만 文 정부 ‘경항모’ 예산은 한 푼도 없다」

簡潔にいえば、「韓国型軽空母についてはいろんな意見があるので、そのような状態で設計にかかるわけにはいかない」ということです。

そもそも、「軽空母に載せられる」と思い込んでいるF-35Bを合衆国が韓国に売ってくれるかどうかも、まだ分かりませんので、確かにこの段階で設計にかかるのは無謀でしょう。

注目すべきは「艦搭載用戦闘機の国内開発の可能性」などと言っていることです。

もしこれが垂直離着陸機のことなら、それこそ何年かかるのか分かりません。韓国は「技術移転してもらえればスグにできちゃうよ」などと考えているのかもしれませんが、そんな虫のいい話があるわけありません。

――というような経過で、とりあえず韓国型軽空母はペンディング、あるいは座礁という状況となりました。

(吉田ハンチング@dcp)

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