韓国は輸出1本で食べている国です。海外との貿易で黒字を積み上げて国を富ませてきました。韓国経済がどのように成立しているのか、その構造を「国際収支統計」※の中の「経常収支」で見てみます。
国際収支統計とは、簡単にいうと「海外との取引が計上された帳簿」です。IMFの定めた基準(現在は「第6版」)に従って記録されているので、(基準に従って計上されていれば)複数の国の経済状態をなで切りに比べることが可能です。
国際収支統計の中の「経常収支」(current account)は「貿易収支」「サービス収支」「第1次所得収支」「第2次所得収支」の4つから成っています。
面倒くさい方は「そういうもんなんだ」で大丈夫です。段々よくなる法華の太鼓ですので最後までお付き合いを賜れれば幸いです。韓国経済がこのままいくと大変マズイことになるかも……と分かっていただけると思いますので。
この4つの収支を足し算して「経常収支」が計算されます。
さて、韓国の経常収支です。2017年01月~2020年06月までの月次データから「貿易収支」「サービス収支」「第1次所得収支」「第2次所得収支」の平均を出してみました。
同期間に「韓国の4つの収支の月平均金額」は以下のようになっています。
貿易収支:72億2700万ドルの黒字
サービス収支:23億2,200万ドルの赤字
第1次所得収支:6億2,700万ドルの黒字
第2次所得収支:5億1,200万ドルの赤字小計(経常収支):55億2,000万ドル
経常収支は4つの収支の合計なので、計「55億2,000万ドル」。
貿易収支が大きな黒字ですが、サービス収支の赤字のためにその分経常収支の黒字が減るのです。
第1次所得収支は小さく黒字、第2次所得収支は小さく赤字ですが、相殺すればイッテコイでほとんど経常収支に影響を与えていないことが分かります(1億1,500万ドルの黒字)。
韓国は「貿易収支が大きな黒字」でないと経常収支が黒字にはならない構造になっているわけです。
以下は、以前の記事で掲載したグラフです。この大事な貿易収支が右肩下がりになっていることが分かります。
コレを覆せるでしょうか。危機が明らかになってきたため、今になって「サービス収支を黒字にしなければならない」みたいな主張が出ているわけです。
もう遅いですけどね。
※国際収支統計は「経常収支」「資本移転等収支」「金融収支」「誤差脱漏」の4つから成っています。
(柏ケミカル@dcp)