韓国型「軽空母」(早くも「K空母」という表記あり)が建造されるというので、韓国メディアでも賑わっています。
『中央日報』が報じた「建造費:1兆8,000億-2兆ウォン」ではお金が足りないのではないか、という件をご紹介しましたが、これは「建造する艦が満載時排水量が3万トンとして」という話でした。
そもそもこの「3万トン」というのも、空母に改装される日本の『いずも』が「満載時排水量:2万6,000トン」なので、それより大きい艦を希望して「3万トン級」としただけと推定されるからです。
「韓国版軽空母は合衆国のワスプ級を上回る大きさなのだ!」と消息筋
ところが、「この3万トンは基準排水量だ」(要するに何も載せないでガランドウでその大きさということです)とする報道が出ました。
2020年08月17日の『朝鮮日報』の記事で、ユ・ヨンウォンという人が書いていらっしゃいます。ユさんの肩書きは「朝鮮日報論説委員・軍事専門記者」となっていますので、専門知識の豊富な人なのでしょう。
韓国メディア『朝鮮日報』の記事から一部を報道します。
(前略)
これまで軽空母のサイズについては「3万トン級の軽空母説」と「7万トン級の中型空母説」(イギリスの「クイーン・エリザベス級」)で分かれていたが、3万t級として議論に「くさび」を打ち込んだ形だ。しかし、実際の排水量は4万トンを超え、大きさも合衆国の4万トン級の強襲揚陸艦「ワスプ級」よりも大きいことが分かった。
ある消息筋は「3万トン級は基準排水量であり、満載排水量は4万トンを上回るだろう」とし「ワスプ級より全長が長く、全幅も広いと聞いている」と伝えた。
韓国型軽空母の長さは260メートル、幅は40メートルほどになることが分かった。
(後略)⇒参照・引用元:『朝鮮日報』「スピード上げる韓国型軽空母、米ワプス級より大きくする」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による(以下同)
「実際の排水量」もなにも、まだ設計図すら存在しないもので言いたい放題ですが、基準排水量が3万トンということは、合衆国の新しい強襲揚陸艦「アメリカ級」の基準排水量は「2.5万トン」ですので、これよりも大きい艦になります。
アメリカ級の建造費が30億ドル超(34-37億ドル)のようですから、仮に「34億ドル」としても「約4兆294億ウォン」※1です。
アメリカ級より大きな艦ですし、設計図もないし造った経験もないしなわけなので、この「約4兆294億ウォン」より余計にかかることになるのは仕方ないでしょう。
カエルの話みたいですね
――というわけで、やっぱり「1兆8,000億-2兆ウォン」ぐらいの予算では絶対ムリです。先の記事でご紹介した「3兆ウォン」でもムリでしょう。
こんなことになるのも大きさを膨らますからです。
「意地でも日本より大きな空母」という執念が感じられますが、「オレの方が大きい」と膨らみ続けたカエルの話を思い出しませんでしょうか。
最後はパチンと……。
※1ドルウォンの換算には2020年08月21日の「1ドル=1,185.11ウォン」を用いました
(柏ケミカル@dcp)