海外資源開発は李大統領の時代に活発に!当時から結果は……
韓国の海外資源開発が活発になったのは李明博(イ・ミョンバク)大統領の時代です。李大統領は在任5年間で海外の資源開発に41兆ウォンを投資したとされていますが、しかし回収できたのはわずか5兆ウォンでした。
これは2014年に、李大統領時代の「国富流出」について調査が行われ(韓国は大統領が変わるとすぐに前政権の悪いところを調査し追求する国です)、「李明博政権国富流出資源外交真相調査委員会」で示されたデータです。
この時すでに「その上、追加投資が必要になるぞ」といわれていました。
海外資源開発の資金回収率は「40%」!赤字です
で……現在です。
韓国の海外資源開発の惨状がまた取り上げられています。韓国メディア『ソウル経済』の記事から一部を以下に引用します。
公企業が海外資源開発に数十兆ウォンを注ぎ込んでから10年が過ぎたが、まだ投資額の半分も回収できていないことが分かった。
(中略)
「2019年度海外資源開発報告書」によると、昨年末までの、『韓国石油公社』『韓国ガス公社』『韓国鉱物資源公社』『韓国電力公社』およびその子会社等公企業の累積投資額は388億8,000万ドルであり、このうち40.0%となる155億3千700万ドルを回収した。
最近の為替レートを適用すると、約45兆ウォンを注ぎ込んで19兆ウォン程度である。回収額には、利益や配当、資産売却などを通じて取得した金額が含まれている。
(後略)
李大統領時代の投資が「国富流出」と追求されたために、後の政権では海外投資は抑えられました。そのため、2014年当時から現在まで「4兆ウォン」しか投資額が増えていません。しかし、相変わらず回収できたお金は低調です。
さすがに「41兆突っ込んで回収5兆のみ」よりはましになりましたが、それでもひどい状況です。また、この回収の中には採算が取れないので泣く泣く鉱山を売却した、といった回収金も含まれています。ですから、まあロクなことになっていないわけです。
資金の回収率は民間の半分未満!
さらに、この記事が秀逸なのは以下の民間と比較した部分です。
同じ期間、民間企業の累積投資額は391億900万ドル、回収額は投資額の84.5%である330億3,000万ドルと集計された。
民間企業は、公企業より2億3,000万ドル多く投資して174億9,300万ドルをもうけた。投資額に比べ回収額の割合は、民間企業が公企業の2倍だ。
「官製プロジェクトは非効率」といわれますが、この結果はまさにその言葉を証明しています。
韓国ではすっかり「海外資源開発は悪」となっていますが、これには「旧政権の仕事は否定する」という心理と動きが後押していることを見逃してはならないでしょう。もっとも成果が出ていないことは確かですので、非難されても反論が難しいのは確かです。
(柏ケミカル@dcp)