韓国の通貨ウォンが対ドルで急速に安値進行しています。
そのため、韓国の識者・メディアからは「ウォンは最弱の通貨ではないか」といった嘆きの声が上がっています。
先にご紹介した『中央日報』の「40の主要通貨に対して値を下げている」という記事もその声の一例に挙げることができるでしょう。
この嘆きはだいたい合っています。以下をご覧ください。
「日本円」「ウォン」「人民元」「台湾ドル」「インドルピー」「インドネシアルピー」の対ドルレートでの比較です。直近1年でどのくらい安くなったのかが分かります。
↑オレンジの線が「ウォン」です。青い線が「日本円」、赤い線が「人民元」、緑色が「台湾ドル」、オリーブ色が「インドルピー」、紫色が「インドネシアルピー」です。※いつものドルウォンチャートと同じで、チャートで上にいくほどその通貨が対ドルで安くなっていることを示しています。
日本円:30.7120%安
ウォン:18.6776%安
台湾ドル:11.5270%安
インドルピー:8.3081%安
人民元:7.6745%安
インドネシアルピー:4.5464%安
日本円はぶっちぎりで対ドルで安くなっていますが、これは意図的なもの。他国のようにアメリカ合衆国に追随して利上げのチキンレースに参加していませんから、当然の結果です。
日本円を除外すると以下のようになります。
これらアジアの主要通貨の中では、韓国のウォンは対ドルで最も安くなっています。
「仕方がない」せいなのかなんなのか、日本よりマシだと思いたいせいなのか分かりませんが、「円は基軸通貨から脱落する」といった噴飯ものの主張が韓国メディアで見られたりします。
しかし、世界最大の債権国・日本の通貨がハードカレンシーから脱落するようなことはありません。
そもそも世界最大の債権国の通貨が基軸通貨ではない、という現況の方が異常なのです。
――というわけですので、「韓国のウォンは最弱の通貨である」という韓国の嘆きは、対ドルの安値進行の度合いから見ると「だいだい合ってる」のではないでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)