『Apple』の「iPhone12」を分解してみたところ、金額ベースで韓国製部品が日本製部品を上回った!と韓国メディアで大きく報じられています。
韓国メディアの情報元は、2020年11月21日付け『日本経済新聞』の「iPhone12分解してみた 韓国勢部品シェア躍進、日本と差」という記事。
この日経の記事は『フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ』(ITデバイスを分解調査する専門家)のリポートを元にしています。いわば韓国メディアの記事は同社のリポートの孫引きになります。
それをさらに引きます。韓国メディア『毎日経済』「iPhone12を分解した後、日本がビックリした理由は…」という記事には以下のようにあります。
(前略)
フォーマルハウトの分析が価格の基準算定である。「iPhone12」のコストを373ドル(約41万6,641ウォン)と推定したが、このうち韓国製部品の価格の比率は27.3%に達している。
わずかの差で2位に上がったのはアメリカ合衆国の部品。25.6%で2位の座を守った。
残りの国はかなり下がる。3位に上がった日本は13.2%で、韓国の半分にも及ばず、台湾12.1%、中国4.7%の順だった。
(後略)
韓国メディアとしては「日本は韓国の半分にも及ばず」のところで優越感を得たいわけで、わざわざこのような書き方をしています。
こういういやしいことをするから嫌われると思われるのですが(あくまでも個人の見解です)、それはともかく、上記をまとめると以下のようになります。
iPhone12に占める割合 | 推定原価373ドル | |
韓国製部品 | 27.3% | 101.8ドル |
合衆国製部品 | 25.6% | 95.5ドル |
日本製部品 | 13.2% | 49.2ドル |
台湾製部品 | 12.1% | 45.1ドル |
中国製部品 | 4.7% | 17.5ドル |
推定原価「373ドル」に占める割合で記載されているのを実際の金額にすると一番右の列のようになります。
韓国製部品は「全体373ドルのうち27.3%を占め101.8ドル」です。
実は『フォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ』は、有機ELパネルの価格を1枚「70ドル」と推定しています。これは韓国『サムスン』の供給とされています。つまり、
なのです。もしこれがなかったら「101.8ドル – 70ドル = 31.8ドル(8.5%)」で台湾の下でした。パネル1枚で得意げなご様子ですが、逆にいえばパネル1枚でひっくり返されるということです。
⇒参照:『Fomalhaut Techno Solutions』公式サイト
⇒参照:『日本経済新聞』「iPhone12分解してみた 韓国勢部品シェア躍進、日本と差」(有料記事)
(松田ステンレス@dcp)