かつてフタを開けてみたらなかったことがあるため、韓国の外貨準備高は注目されています。経済自体にはそれほどではないが韓国の外貨準備高については興味がある、という方もいらっしゃるかもしれません。
韓国の外貨準備高がいくらなのかは毎月『韓国銀行』から公表されており、その増減も明記されています。これまた毎月公表されている「国際収支統計」の方にも「外貨準備高の増減」を計上する項目があります。
ところが、この2つの数字が合わないのです。
2つの資料に見る「外貨準備高の増減」
まず、韓国メディア『亜州経済』の記事から一部を引用します。
(前略)
金融派生商品(デリバティブ)は4億6,000万ドル減少した。その他の投資は、資産が9億3000万ドル、負債は86億7,000万ドル減少した。準備資産は4億ドル増加した。
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
外貨準備が4億ドル増えたと書いています。
これは「韓国の07月の経常収支が74億5,000万ドル」になったことを報じる記事ですが、ここに登場する数字は全て(当然ですが)『韓国銀行』が09月05日に公表した「国際収支統計」から拾ったものです。
以下に、公表されたシートから該当部分を拡大します。
上掲のとおり、確かに外貨準備は「4億440万ドル増加した」と計上されています。
ところが、この数字は『韓国銀行』が公表している外貨準備高の金額の増減とは合わないのです。
以下をご覧ください。
これは毎月05日近辺に公表されている『韓国銀行』の外貨準備高の公表データです。外貨準備高がいくら増減したかが赤丸で囲った部分に明記されています。06月末の「4,108億ドル」から07月末の「4,165億ドル」に「58億ドル」増えたとなっています。
しかし、「国際収支統計」では外貨準備は「4億440万ドルの増加」となっており、合いません。オリジナルデータは「国際収支統計」のはずなので、合わないのはおかしな話なのです。
「合わないんだなぁ、これが」じゃなくて「合わないと困る」んですが、実をいいますと、この外貨準備の増減はほとんど合っていないのです。
(吉田ハンチング@dcp)