2020年12月01日、韓国の産業通商資源部から「2020年11月の輸出入動向」のプレスリリースが出ました。以下です。
輸出:458.1億ドル(対前年同期比:4.0%増加)
輸入:398.8億ドル(対前年同期比:2.1%減少)
貿易収支:59.3億ドル
※貿易収支は「輸出 – 輸入」
⇒参照・引用元:『韓国 産業通商資源部』「2020年11月の輸出入動向」
韓国にとっては輸出が大事ですので、11月までに輸出額の「対前年同期比での増減」推移を見ると以下のようになります。
09月に「+7.3%」で「輸出が回復だ」と韓国メディアが書いていましたが、10月に「-3.8%」に沈み、「ぬか喜び」になってしまいました。今回「4.4%」でまた上昇したのですが、また「ぬか喜び」で終わらないように、次月の結果を見るまで大騒ぎしない方が良いと思われます。
というのは、世界的に新型コロナウイルスの再拡散が懸念されており、韓国最大の貿易相手国である中国にも暗雲が広がりつつあるからです。
ただし、
は朗報だといえます。この6.3%増というのが正しければ、ですが。
というのは、『韓国銀行』が公表している「国際収支統計」によれば、2019年11月の韓国の輸出・輸入・貿易収支のデータでは以下のようになっています。
今回の産業通商資源部の公表したデータを以下に再度掲載しますので比較してみてください。
輸出:458.1億ドル(対前年同期比:4.0%増加)
輸入:398.8億ドル(対前年同期比:2.1%減少)
貿易収支:59.3億ドル
「国際収支統計」では「2019年の輸出:464億9,730万ドル」ですから、産業通商資源部の「2020年11月の輸出:458.1億ドル」が正しいのであれば、
1.5%減少
でないおかしいのです。それがなぜか「4.0%増加」になっています。
例えば、韓国メディア『毎日経済』では、この産業通商資源部のリリースをそのまま引いて、
としていますが、「国際収支統計」を見る限りプレスリリースにある「増減」を信じていいのか疑問です。
また、輸入では、
2.0%増加
でないとおかしいのですが、なぜか「2.1%減少」になっています。今回の産業通商資源部のリリースは、どのデータと比較して「輸出が増えた!」と結論付けているのでしょうか。
(吉田ハンチング@dcp)