韓国は本年から人口が自然減少する事態となっています。2020年は月平均で「1,519人ずつ」人口が減少しています(韓国統計庁の09月28日の公表データによる)。
これは、出生率の低下傾向に歯止めをかけることができないためです。2019年には「合計特殊出生率」がついに「0.92人」になりました。合計特殊出生率というのは「女性が一生で産む子供の数の平均値」です。韓国の「0.92人」は世界最低です。
筆者が勝手にほざいているのではありません。本件を報じた韓国メディア『ソウル経済』も以下のように書いています。
(前略)
지난해 합계출산율은 0.92명으로 전 세계에서 가장 낮고 올해 출생아는 30만 명 아래로 떨어질 것으로 전망된다.
(後略)昨年合計の特殊出生率は0.92人で、全世界で最も低く、今年の出生児は30万人を下回ると予想される。
しかし、まだ下にいくのです。韓国の合計特殊出生率は2020年には「0.8人台」に落ちることが確実視されており、「死亡者数が新生児数を上回る」状態が続いているというわけです。
今後5年間で「196兆ウォン」を投入する!
さすがになんとかしなけれなならない――というわけで、2020年12月15日、韓国政府は「第4次少子高齢社会基本計画(2021〜2025年)」を発表しました。それによると、今後5年で「196兆ウォン」を投入します。うち、少子化対策には年別に以下のお金を突っ込むとのこと。
2022年:36兆4,027億ウォン
2023年:38兆5,123億ウォン
2024年:38兆5,123億ウォン
2025年:42兆3,516億ウォン
小計:192兆1,816億ウォン
(約18兆2,573億円)
この予算で何をするかというと、簡単にいえばバラまきです。
(2022年から)
・0~1歳児の乳児手当を新設:30万ウォン/月
(2025年からは50万ウォン/月)
・7歳未満の児童に児童手当:10万ウォン/月
(現在もあり)
・乳児手当:50万ウォン
(家庭養育手当を改編して2025年から)
・出産診療費支援金:100万ウォンに引き上げ
(現行:60万ウォン)
などを行うのです。この中央政府からの支援に加えて地方政府からも支援も加わります。
これで出生率の低下に歯止めはかかるのか?
巨額の予算を投入するわけですが、これで韓国の特殊出生率の低下に歯止めがかかるのでしょうか? 実は非常に望み薄ではないかと思われるのです。
なぜかというと、2006年から2020年まで韓国は少子化対策に「150兆ウォン」を突っ込んできましたが、それでも「特殊出生率:0.92人」という結果になっているからです。
なぜ、こんなに少子化対策に効果がなかったかについては、チョ・ヨンテ教授の見解をご紹介した↓の記事を参照していただけたら幸いです。
(吉田ハンチング@dcp)