韓国は急速に老いている!人口は自然減に突入した
韓国は超高齢社会※1を突き進んでおり、そのスピードは日本を上回ります。
韓国では出生率の低下傾向に歯止めをかけることができず(というか加速しており)、2019年には「合計特殊出生率」がついに「0.92人」になりました。
合計特殊出生率というのは「女性が一生で産む子供の数の平均値」です。
韓国の合計特殊出生率は2020年には「0.8人台」に落ちることが確実視されており、2020年04月までの6カ月間「死亡者数が新生児数を上回る」状態が続いています。
つまり、人口は自然にどんどん減っていくわけです。
150兆ウォン突っ込んだのに効果はゼロだった!
少子化対策は日本でも大きな問題となっており、官民で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が交わされていますね。日本よりも急速に老化している韓国でも政府が対策を講じてきました。
2006年から現在まで、韓国で少子化対策に投じられたお金は実に「150兆ウォン」(約13兆5,000億円)※2。しかし、それでも効果はなかったのです。
韓国メディア『ソウル経済』は、2020年07月06日、人口統計学の専門家で『決められた未来』というベストセラーの著者チョ・ヨンテ教授にインタビューを行った記事を出しました。冒頭部分を以下に引用します。
政府は、少子高齢化基本計画に基づいて、2006年から現在まで150兆ウォンに達する天文学的な財政を注ぎ込んだ。
しかし、少子化対策は凄惨に失敗した。
昨年、女性一人が一生に産むことができる子供を意味する合計特殊出産率は0.92人。
世界の最下位だ。
2002年初めに少子化時代(出生率1.3人以下)に突入した韓国の少子速度は世界で類例がないほど速い。
今年は出産率が0.8人台に落ち、新生児も初めて30万人を下回ることになる。
逆に高齢化率は、すでに超高齢社会(高齢者の割合20%:原文ママ)に進入した日本よりも速い。
⇒参照・引用元:『ソウル経済』「【正論直言】「少子化の原因は『in Soul』…150兆注ぎ込んだのは検討違いのところだった」(原文・韓国語/筆者(バカ)意訳)
※赤アンダーライン、強調文字は筆者による
「in Soul」、一極集中が問題なのだ
同記事内で、チョ教授は、これまでの韓国の少子化対策が、「保育環境を整備すればいい」とそこにばかりお金を投入したことにあり、つまり資金投入の場所がまるで見当違いだったと指摘しています。
チョ教授によれば、根本の原因は「(首都)ソウルに何もかもが集中していること」にあるとのこと。
人・仕事・お金・インフラなどが一極集中しており、若い青年層がそのような環境に対応して生きていくには「少子化(子供をつくらない)」しかない、というのです。
つまり、少子化はヒトの環境適応の結果だと。
また、福祉国家とされるスウェーデンの社会をモデルにするのは間違っている、と。
「福祉国家の土壌が異なり、人口構造も異なるので、韓国の実情には合っていない」と述べています。
非常に示唆に富んだ見解ですが、読者の皆さんはどう思われますでしょうか。もし興味が湧いたら現記事(上掲リンク)に当たってみてください。
※1超高齢社会とは高齢化率が14%を超える社会をいいます
※2ウォン円の換算は2020年07月07日の「1ウォン=0.090円」を用いました
(吉田ハンチング@dcp)