先(2020年12月11日)にご紹介した韓国のビッグプロジェクトが本当に動き出しました
2021年02月05日、韓国の文在寅大統領は「世界最大の洋上風力団地48兆ウォン投資協約式」に出席、「まったく胸躍るプロジェクトだ」と発言したとのこと。
世界最大規模の風力発電団地を仁川沖(徳積島から西に約20㎞離れた地域)に造るというビッグな企画で、以下の予算が投入されます。
政府投資:9,000億ウォン(約846億円)
小計:48兆5,000億ウォン(約4兆5,590億円)
これにはデンマークの大手電力企業『Orsted(オーステッド)』が絡んでいます。『オーステッド』は洋上風力発電施設の世界的トップ企業で1991年から施設を建設しています。
同社の説明(日本語ページあります)によれば、海上に「1,150基以上の風力タービンを設置してきた」とのこと。同社は『韓国電力公社』など国内企業と協力してプロジェクトに臨むとしています。
例えば、韓国メディア『マネートゥデイ』では「この事業は、2030年までに48兆5,000億ウォンを投入し、8.2GW規模の海上風力発電を造るのが骨子だ。(中略)事業が行われている間、雇用12万が創出されるものと思われる」と報じています。
2020年11月の時点では「8兆ウォン」だったのですが、なぜか総額「48兆5,000億ウォン」と約6倍に増えました。また、同様に「潜在発電容量1.6GW」という話だったのですが、「8.2GW」とこちらもなぜか約5倍に増えました。
当初の話の5~6倍に膨らませた節があります。
また何本の風力発電機を洋上に建造するのかという話ですが、もともとは「1.6GWで100~140基」※という話だったのです。これが5倍となると「500~700基」も建設しないといけない計算になります。
本当にそんなことができるのでしょうか?
⇒参照・引用元:『オーステッド』公式サイト「洋上風力発電事業」
※イギリスの「ウォルニー・エクステンション(Walney Extension)」ウインドファームが発電機87基で659MW(0.659GW)。発電機の効率が良くなっていることを考慮せずに単純計算すると、8.2GWを達成するには1,087基の発電機が要ることになります。700基どころではありません。
(吉田ハンチング@dcp)